お知らせ Notice
【ひと】(株)七番組 代表取締役 中山 友裕氏
2026.09.01地域のため、社員のため
知多半島沿岸で新田開発が行われていた江戸時代末期、その七番工区を担当した土木施工グループが同社の起源となっている。創業時(1850年・嘉永3年)より、担当した工区の名称から『七番組』と呼ばれるようになり、以来176年『ふるさと知多』を創り続けてきた。
「総合建設会社として、先人から受け継いできた『信用を重んじ、誠実を旨とし浮利を追わず』を信条とした基本姿勢を大切にしています。かつての建設会社は、きつい、危険、上下関係が厳しいなど、負のイメージがありましたが、1971年、沢田紳藏氏が8代目社長に就任した際に法人成りし、経営の近代化へと舵を切りました。私は高校時代、土木作業のアルバイトをしたことで建築関係に愛着を持ち、地元企業で働きたいと思って入社した企業の社長が紳藏氏で、優しくて誠実な方という印象を受けました」
本社総務部で経理担当者として3年ほど勤務後、常滑支店に異動となり営業を担当。中部国際空港の開港に向けて本格的に動き出した頃で、常滑出身という強みが、人との繋がりを広げるきっかけにもなった。高度な専門性と幅広い対応力を培うべく、宅地建物取引士・一級建築施工管理技士・一級土木施工管理技士等の資格を取得した。仕事と資格取得のための勉強で多忙な中、精力的に働き、空港島沿岸工事JV、空港管理棟建設工事JV等に関わった。その後、本社で民間営業を担当する日々が始まった。
「2021年、10代目として現職に就くまでは営業畑を歩き、ふるさと知多地域の皆様にお世話になってきました。就任後には地域の皆様への恩返し、社員には若い頃の私がして欲しかったことをしよう、嫌だと感じたことを絶対に止めようと心に強く誓いました。社員や協力会社、地域のことを常に考え、行動してきた尊敬する8代目の意思を受け継ぎ、時代の変化に対応したより良い会社づくりが私の使命です。就任直後に社員の声を聴き、職場環境の整備、給与体系の見直し等に取り組み、働きやすい職場づくりを始めました」
『人が嫌がることはしない、欲することは自ら率先しなさい』と母親から常に投げかけられていた言葉は、8代目の考え方にも通じるところがあり、その言葉を信念として貫き通す。また、頑張って働く女性社員と、フルタイムで働いてきた若き日の母親の姿を重ね、勤務時間の調整、育児休暇取得の奨励等、仕事も家庭も大切にできる職場環境を整えた。
同時にこれから会社を担っていく若者たちが安心して長く働き、最大限に力を発揮できる職場環境の維持・向上に努めている。そんな取り組みが評価され、今年5月、『ユースエール認定企業(*)』として認定された。働きやすい環境をつくり、社員を大切にしたいという想いが形になった瞬間だった。
「当社の社員は仕事熱心な“ど真面目な人”ばかりです。『こんな提案をするとお客様からは喜んでいただけるが、仕事は増える・』と考えれば、お客様からの満足度や信頼が得られにくくなります。良い仕事をしようと思ったら、手間暇を惜しまないことです。お客様から現場監督の丁寧な仕事ぶりをお褒めいただくことがあります。自分のことのように嬉しいですね。『安全第一』と『誠実な施工』は創業以来、大切に守り続けている精神です」
主な財源が税金である公共事業を多く扱う同社は、地元業者との連携を大切にし、150社ほどの協力会社と技術を磨きあい、協力しあっている。地元経済を回し、まちの活性化のお手伝いをするのは、8代目から受け継いだ意思でもある。また、『明日来るかもしれない南海トラフ地震』に備えて、建設会社ならではの取り組みも始めた。
「大地震の発災で道路が破損すれば、特に半田以南は『陸の孤島』に成り得る可能性もあり、物品の運搬や人の移動のため道路網の復旧が最優先になります。いち早く作業に取り掛かれるように、災害の3点セットと言われているダンプカー、ユンボ、ローラーを自社で所有しています。元請会社として資産を持たないという考え方が主流の中で逆行しているかもしれませんが、地元に根付いている会社だからこそ、地元のために貢献したいと考えています。それらの機械を操作する資格取得支援制度もあり、サポート体制も充実しています。
『伝統のある会社ですね』と言われることは、実はあまり好きじゃないですね(笑)。伝統を大切にしながら、新たな挑戦をし、諸先輩方が繋いできた歴史をどう繋げていくかが大切なことと考えています。今、当社では社員一丸となって、地域社会の発展に貢献できる企業であり続けたいと頑張っています。そんな社員らを支え、応援しながら私の責務を果たしていきたいと思っています」
(*)若者の採用・育成に積極的で、離職率の低さ、有給休暇取得率、残業時間の少なさなど、複数の厳しい基準を満たしている企業を厚生労働大臣が認定。
●ちょっと一息●
人々との繋がりの大切さを実感しています。当社は地域住民の方と良好な関係にあり、社員は半田市内で行われる色々なイベントに“ど真面目に”取り組んでいます。お子さん向けの重機試乗コーナーが大人気だった二ツ坂カーニバル、知多半島マーケットへの参加、各地域の祭りや花火大会にも積極的に協賛協力をしています。社員同士の仲が良い!それも私の自慢です。
仕事に必死になり、時間も取れず敢えてゴルフはやってきませんでした。社長という立場になった時に色々な方々とのお付き合いが始まり、お誘いも多くなり2年ほど前からゴルフを始めました。スケジュール調整をして仕事に差し支えなければ良いかなと思って始めたら、今は週に1回ほどクラブを握るようになり、すっかりハマってしまいました(笑)。いつかは100を切りたいと日々、頑張っています(笑)。
まだまだ仕事中心の毎日、疲れた私を癒してくれるのは2匹の保護猫です。可愛いですよ。
プロフィール:1973年常滑市生まれ。半田市在住。95年名城大学商学部卒業。同年㈱七番組入社。97年常滑支店、2003年本社営業部、13年取締役企画営業部長兼不動産部長、21年現職。半田商工会議所常議員。