半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
とーくさろん

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半田の魅力を楽しくPR

2020年7月15日(水)

特定非営利活動法人半田市観光協会  鈴木 晶子さん

気になると、自分の目で確かめたくて、大学時代にはピースボートで世界一周し、折りたたみ自転車を持って日本一周しました。どこでも眠れ、何でも食べられるので、あちこちに出かけることでたくさんのことを経験できました。色々な所を見て地元に帰ってくると、半田の良さや魅了をより感じることができます。そんな学生時代を過ごす中、父が地元と関わっている姿をずっと見てきていたので、私も生まれ育った半田で仕事をし、生きていきたいという思いが強くなりました。
 半田の魅力を伝える仕事がしたいと漠然と思っていたので、先ずはちょっと修業しようかなと(笑)、卒業後は旅行会社でツアーの企画や手配などをしていました。そしていつか関わってみたいと思っていた『はんだ山車まつり』の準備が始まった2011年に、半田市役所の商工観光課(現観光課)に臨時職員として採用されました。しばらく市役所で観光に関わる仕事の経験をさせてもらい、2年前から半田市観光協会(以下、観光協会)で働いています。
 自分自身も楽しみながら半田の魅力を伝えたいと思っています。観光協会ではやってみたかったことからまず始めてみようと、食べ物を紹介するインスタグラム『ハンダハラペコグラム』を立ち上げました。旅をしていると半田は飲食店が多いと感じます。そんなたくさんあるお店を紹介できたら面白いと思い、お昼ご飯をあちこちの店で食べながら紹介しています。最初は断られたこともありましたが、今では飲食店の方から紹介してほしい、友達の店を掲載してほしいという声や、見てくれている方からあの店に行ってみてほしいという声がかかり、本当にうれしく思っています。市内から4割程度、あとは名古屋、知多半島、三河地域からフォローがあり、食を通じて色々な所から半田に来てくださる方がいるかもしれないと期待しています。先日は「半田に行くんだけれど、何を食べたらいい?」とお尋ねや、「インスタみて食べてきたよ」という報告もあり、スタートして2年経った今、300店ほど紹介してきて、少しずつ認知されてきたのかしらと嬉しくなります。
 今、コロナ禍で多くの業界は苦境に陥っています。いつもお世話になっている飲食店の方たちも、もちろん大きな影響を受けています。そんな時に、テイクアウト始めたんだけど、どうやって紹介すればいいだろう?など連絡をくれる飲食店の方が何人もいて、私たちにできることを、少しでも早くやらなければと強く思いました。
 観光協会は半田商工会議所(以下、会議所)と連携して色々な企画をしています。『はんだ元気プロジェクトAction!』は地域の頑張る力を応援するプロジェクトです。その一環でテイクアウトフードの後方支援活動を行いました。飲食店から「助かった、ありがとう」という声をいただいた時は一緒に泣くほどうれしかったです。いま何が大事か、何が求められているのかが日々変わっていく中で、店から多くの生の声が届いたので、行動に移すことができました。これからも半田の魅力をより引き立て、関わる人々の思いを乗せた活動ができたらいいなと思っています。
 会議所は醸造を切り口にした『醸-KAMOSU-プロジェクト』を展開されています。醸造は半田の大切な文化なので、その魅力を内外に向けて発信していきたいです。例えば、半田でどんな旅をしたら楽しく過ごせるかストーリーを考え、MIZKAN MUSEUMや國盛 酒の文化館を見学後にどんなランチが食べたくなるだろう?というところから『半田すしマップ』を作成しました。会議所や行政、企業や地域の店や人と一緒にプロジェクトに関わり、様々な立場の方からの意見や考え方を日々学んでいます。みなさんと考えながら実現する、とても刺激的な毎日です。
 最近では、今まで経験したことのない緊急事態が発生し、限られた枠の中でどう楽しむのかを探しています。今日の昼食はタイ料理でした。市内の飲食店で世界旅行も楽しいかも!いろいろな楽しみ方の提案ができたらいいなと、テイクアウトランチを食べながら考えていました。
 半田の観光に関わって10年経ち、色々な人とのつながりを感じるようになりました。これをやったら有難迷惑かな、これで良いかなと考えながら走ってきましたが、今は色々な方と相談しながら少しずつ自信をもって動けるようになってきたのではないかと思います。本当に多くの人たちに支えられていることを実感しています。
 大好きと思えるこの仕事と出会えて良かった!半田で生まれて良かった!次は何をしようかな。考えるだけでワクワクします。

■ 所在地/半田市東洋町1−8(アイプラザ半田内)   ■ TEL/32-3264 
■ インスタグラム/handa_harapecogram   ■ http://www.handa-kankou.com/



夢を叶えるお手伝い!

2020年5月29日(金)

(株)山本楽器 Brillante Music Salon 加藤マミさん

4人兄妹の長女として楽器店を経営する両親のもとに生まれました。敷かれたレールを歩くのが嫌で、中学一年には、両親への反抗で全ての習い事をやめた時期がありました。その時に好きだったピアノもやめ、周りには嫌いと言って強がっていましたが、親に聞かれないようにやめてからも内緒で弾いていた記憶があります…。
 中学三年生になった頃、進学について考えるようになり、小学時代に幾つかのピアノコンクールに出場したことを思い出しました。「いい音が出せますね」「曲の持つ感情が伝わってきました」など、審査員より講評をいただいていたことや、合唱祭では伴奏を担当したクラスが優勝したこともあり、音楽への進学の方が私には向いているのではと自ら音楽への進学を決意しました。そして、その気持ちと共に早く自立したいという気持ちも高まり、両親へ「家から離れた音楽高校を受験したい」と話し、再びピアノ教室へ通わせて欲しいとお願いしました。当時のピアノの先生へも連絡をして、反抗期だった自分の事を謝り、再びレッスンをお願いしました。
 中学三年生から再び音楽の勉強をし、ピアノコンクールや合唱コンクール、体育祭の応援団などで結果を残すことができたことで、学校から音楽高校への推薦を頂き、進学することができました。しかし思い描いていた華やかな高校生活とは違い、山の中にある学校で登山や下山など敷地内にバスが出ている中での寮生活、門限もあり自由が好きな私には辛かったです(笑)。
 高校から大学へはエスカレート式だと思っていたのですが、実際には一般受験と同じでした。実技以外は苦手だった私でしたが勉強を応援してくれる友人がおり、無事に第一希望の器楽科ピアノ専攻へ進学できました。
 関東にて7年間の学生生活を無事に得ることができ、その後社会人へ、音楽を通してメンタルヘルス分野に進出を考えていた東京のコンサルタント会社へ就職しました。とてもスパルタな会社で、自分が今までどれだけ視野が狭かったのかと思い知らされ、自尊心を傷つけられた憶えがあります(笑)。人材育成のコンサルタント会社で、企画・営業からのスタートでした。私は今までやったこともない企業に向けた企画書作り、経済も企業も知らない中だったので過酷に感じたのかもしれませんが、必死な日々を送っていた憶えがあります。企業の問題を解決に導く人材育成の会社で、全く違った分野(音楽)から就職した人材は私だけでした。周りからは一番に辞めていきそうと予測されていましたが、同期が45名いた中、女性社員は1、2年で10名皆辞め、同期の女性の中では一番長く3年半頑張れることが出来ました。その間頑張れることができたのは、自分の知らないことを知れるという面白さ、また人間味あふれる社風に魅力を感じ続けることができたからだと思います。
 メンタルヘルス部発足の話が進み始め、会社からの指示で土日に音楽療法の専門学校へ通うことになりました。音楽療法を学ぶ為に行った学校でしたが、そこで幼児リトミックとも出会いました。平日は仕事、土日は専門学校と、休みもなく疲労困憊の日々でしたが、この時期があったからこそ、今の私があります。
 それまでの私は型にはまった音楽教育を受けてきましたが、全身を使って音楽を学ぶ幼児リトミックと出会い、音楽の視野が広くなりました。その時に幼児の無邪気で純粋なところをみたり、おじいちゃん、おばあちゃんの今までの経験や生活の知恵などを聞くことが大好きな私は、音楽でそういう人たちと関わっていきたいと思いはじめました。その後会社の都合によりメンタルヘルス分野への発足の話が無くなってしまい、お世話になった地元で、学んできたものを活かし役に立ちたいと帰郷しました。
 現在は、3歳の娘の子育てをしながら仕事をしています。娘がいるからこそ気づけること、学べることもあり、それが仕事につながっているようにも思います。小さい子どもがいることは、時には大変だと感じることもありますが、協力体制も万全で、楽しみながら子育てができています(笑)。最近、娘も趣味が出てきて共通することは旅行!国内、海外旅行と毎年楽しみが作れて嬉しいです。普段は主人のお母さまが最強のサポートをしてくださり、近くに両親や兄妹もおり、幼馴染みの主人も安心する存在です。家族には感謝の言葉しかありません。
 7年前にピアノと幼児リトミックの教室『ブリランテ ミュージック サロン』を開設しました。教室の準備などで応援してくれたのは祖母でした。現在はピアノ・リトミック・音楽療法で、私を含め3名の講師で、それぞれ得意なことを武器としてチームを組んでいます。そのチーム力の大切さも、関東で学んだことです。子どもの最初の環境を作るのは親、その場を快適にするためには周りの力も必要になってくるのではないでしょうか。立派な花が開花するために肥料や水、太陽が必要になってくるように、私たちは音楽やリトミックを通してお子さんの可能性を見いだし、幸せな人生へと開花するようお手伝いが出来たらいいなと思っています。そして、生徒達が自分の夢を持った時、その夢を叶えられるまで見ていたいという思いでレッスンしています。
 幸せなことに私は音楽を通して、幼児から、おじいちゃん、おばあちゃんに関わりたいという夢を叶えることが出来ました。その間辛いこともありましたが、一生懸命夢に向かって歩いていると、応援してくれる方との出会いがあり、自分なりに精いっぱい頑張っていればそれなりの道が切り開いていけると思います。夢に向かって頑張っている方たちを応援します。

■所在地/半田市大和町1-5 クインテット2階20C(知多半田教室) 半田市花園町1-15-1(花園教室)
■TEL/090-4211-6589  ■インスタグラム/brillantemusicsalon  ■http://brillante.amlive.co.jp
■幼児リトミック体験レッスン開催中(1回500円(税込))




素材・鮮度にこだわり、おいしさ追求

2020年5月1日(金)

焼肉しんちゃん 北村慎一さん

 おいしいものを食べるのも作るのも好き。高校時代に寿司店でアルバイトをしたことが縁で、一旦は企業に勤めたものの、料理の道へと方向転換をしました。慣れ親しんだ(笑)寿司店からスタートし、店を持とうという夢に向けて無我夢中の毎日を送り、気がついたら30年経っていました。それを機に小学校時代から育った常滑で居酒屋か焼肉店を開こうと計画。見回すと常滑の町には焼肉店はないので、焼肉の店にしようと修行先を探しました。私自身もファンで、「間違いのない味」「また食べに行きたい」という評判の高い人気店『焼肉やまちゃん』(知多市)にお世話になることにしました。
 寿司屋と焼肉店は包丁を使うという共通点はあるものの、肉を扱うのは素人で、一から学びました。やまちゃんが開店して50年かけて試行錯誤してきた味とタレ、店舗(無煙ロースター設置)、経営方針等、すべてを修行した4年弱で受け継ぎました。師匠(現会長)の度量の大きさに感謝する日々です。
昨年4月縁あって半田に、やまちゃんを文字り私の名前に因んだ「焼肉しんちゃん』を開店し、メニューもやまちゃんからいただきました。一番のこだわりは、地元知多牛を始め、北海道、九州、群馬、仙台等からの選りすぐりの上質な肉を、一番おいしい状態で提供することです。中でも7割のお客さまからオーダーいただく『しんちゃんステーキ』や『特選肉寿司の盛合せ』はお薦めしたい逸品です。また、特に内臓は鮮度が命で、下処理の仕方で味の違いが出てきます。丁寧な仕事で肉のおいしさを引き出すやまちゃん方式で、下準備に時間をかけています。手作りにもこだわり、キムチ類、タレ、杏仁豆腐などもモチロン師匠直伝です。
鮮度にこだわり、おいしいさを追求し、お客さまに喜んでいただきたいと思うあまり、時として経営者であることを忘れてしまうこともあります(笑)。おいしいものはたくさん食べたいよねと、ついつい手が動いてしまい、お皿には肉を多めに乗せて(笑)。採算度外視で提供してしまうことも度々です。「おいしかったよ、また来るね」という言葉は励みとなり、店をやっていて良かったと思える瞬間です。まだ開店して1年経ったばかりですが、お客さまのご紹介で来店いただける方、はるばる遠方からお越しの方もいらして、経営者として料理人としても至福の時です。師匠や今ではマスターとなって活躍している師匠の息子さん、やまちゃん時代のアルバイト仲間が来店し応援してくれているのも心強いことです。
 モットーは「決して手を抜かず、全て良い状態で出す」です。やまちゃんの味は最高峰と思っています。その味を維持しながら、やまちゃんになく、しんちゃんにしか作れないものを提供したい。そのことばかり考えています。今では仕事が趣味になっています(笑)。そんな思いの中から、その日の仕入れ状況に応じて、肉に合うようなメニューを提供する『本日のメニュー』も誕生しました。ぜひご賞味ください。材料があればお客さまのオーダーにもお応えします。ちょっとしたワガママ歓迎!自慢の味を堪能してください。
 知多半島では焼肉と言ったらやまちゃん。やまちゃんの味を期待して来店される方も多くいらっしゃいます。その期待に応え続けていられることは、私の中で大きな喜びになっています。今はやまちゃんに追いつけ、追いこせですが、いつかは焼肉と言ったらしんちゃんと呼ばれるようになりたいと思っています。その日のために日々、やまちゃんを追求しています。


■所在地/半田市雁宿町1-53 ■TEL/23-8294  
■営業時間/月〜土 17:00〜23:00(O.S.22:30 ) 日・祝 17:00〜22:00(O.S.21:30 ) 
■定休日/月曜日(祝日の場合は火曜日) 
■モバイルメンバーの誕生日・大事な人の記念日にはしんちゃんステーキ(100g)プレゼント。
来店ポイントあり。32席。完全禁煙。




新しい時代に向けて志を一つに!

2020年3月31日(火)

女性会会長 江上瑞子さん

「一人で背負わなくても良いから、気持ちを楽にしてみんなで頑張りましょう」「応援するからね」と、メンバーの暖かい言葉に背中を押されて、会長職をお受けさせていただきましたが、身の引き締まる思いです。歴代会長さんは設立当初からのメンバーで、偉業を成し遂げられてこられた方ばかりです。8年前に入会した私は、会長の器ではないと恐縮しています。しかし今年は設立15年を迎え、20年という大きな節目に向けて足元を固めていく大切な時期です。微力ながらお役に立つことが出来ればと全力で取り組む覚悟です。
 思い起こせば8年前、鬼籍に入られてしまわれた山崎元会長さんの「頼みたいことがあるの、女性会に入って」と、突然のお誘いから、色鮮やかな人生になりました。それまでの私は、洋品店を商っていた先代の後を継ぎながら、葬祭ディレクターの主人と二人三脚で家業に専念し、亀崎のまちの中だけで生きていました。入会し様々な年代の方、異業種の方々との出会いは刺激的で、視野も広がり半田市全域に目がいくようになり、今では半田市を外にPRする楽しさにも目覚めました。また、先輩方の行動力、発言力、仕事との両立、そのパワーに圧倒され、多くのことを学ばせていただきました。
過去には、平成21年に「女性ならではの事業で地域貢献をしましょう」と、半田の生地を使ったガーゼスカーフの販売や染物教室、夏休み親子教室などを開催してきました。平成29年に開催された『第八回はんだ山車まつり』で同時開催した盆踊りでは、ゆかたの着付けを主催者から依頼されましたことは、設立以来して来た半田盆踊りの『ゆかたお直しコーナー』が評価された証ではないかと感じています。
 また、昨年度から「地域貢献」、「研修交流」、「会員拡大(今年度は「PR」)」3つの実行委員会組織を立ち上げ、事業を行っていく上で私たち会員自身が心もカラダも健康でなければと、講義と実技(ヨガ)を組み合わせた『美と健康セミナー』を研修交流委員会より開催しました。半田商工会議所の会員さんにもお越しいただき「カラダを動かすのは苦手。でも、ためになるお話が聞けて良かった」というお声をいただきました。加えて、11月のはんだふれあい産業まつりには地域貢献委員会より『ご家庭に眠るお宝バザー』を出店し、成果を上げる事ができました。会員の皆さんは現役でいらっしゃるが故に行動力のある方ばかりで、「自分たちで組織運営しなければ」と、意識も少しずつ変わってきているのではと思います。実行委員会組織となってはじまったばかりではありますが、女性会の会員の皆さんとコミュニケーションを図りながら、取り組んでまいります。
 スローガンは『新しい時代に向けて志を一つに!」です。昨年のスローガン『つなげよう、ご縁のわ』を受けて、つないだご縁を一つにまとめて、全会員38名ワンチームで事業等に取り組みたいと考え、やるからには明るく楽しく活動し、魅力のある会にしていきたいと思っています。
女性会は、定年がありません。だからこそ、幅広い知識や経験と前向きな意見を持ち寄り、気持ちを1つにして活動していけます。1人でも多くの女性会の会員が必要です。
女性会の発展のためにと思われる会議所の会員の皆様!
ぜひ、ご入会をお待ちしております!

(有限会社エガミ)
■所在地/半田市亀崎町9-31 ■TEL/28−0437   
■営業時間/9:30〜19:00(店舗)  ■定休日/木曜日(店舗) 
■葬儀は年中無休・24時間受付




美味しい「いちごと笑顔」をお届け

2020年2月28日(金)

市野園芸 市野敦紳さん

農家で育った僕は、「祖母が米や野菜、苺を作り、それをリアカーに乗せ、朝市に出していた」という事を何度も聞かされて育った少年でした。それから数年後『市野園芸』として、いちご狩りが始まったのは平成4年、今まで知多半島でいちご狩りをされていた南知多グリーンバレイに「このままでは、お客さまが他所に移ってしまうので、やらないか」と勧められたのがきっかけでした。それを機に社長の父がいちご狩り農園へとシフトさせました。当初は面積も広いわけではなく(現在6000坪、ビニールハウス10棟、駐車場:普通車100台、大型バス4台)、予約を受けるために、電話線を引くことから始めたそうです。始めの3年は今みたいにインターネットのようなものも無く、お客さまも少なかったそうです。それでも小学5年生だった僕の感覚では、いちご狩りというものに人が来る事に驚いたものです。そして、平成7年〜10年にかけて南知多でいちご狩り農園が増え始め、又その頃から高設栽培が始まりました。
 大学を卒業する時、就職難もあり、父に勧められ家業に入りました。朝はいちご摘み(販売用)から始まり、忙しい毎日を過ごしています。いちご狩りシーズンは12月〜5月ですが、3月に親株を植え、5〜7月は苗の栽培・管理、9月中旬から植え付けと息つく暇もなく、年中いちごと向き合っています。
12年くらい前から元旦営業を始め、シーズン中は無休です。年末年始の営業も始めの頃は「やらない方がいいのかも」と思ってしまう程、お客さまも少なかったです。それでも続けていくことで次第に知れ渡るようになり、今では沢山のお客さまにご利用頂いています。そのおかげで、ここ数年はゆっくりお正月を過ごすことはありません(笑)。セントレアから車で10分ほどの利便性もあってか、海外からのお越しも珍しくありません。ポケトークが活躍しています(笑)。愛知県内、県外からのお客さまも多く、知多半島は現在20件以上のいちご狩り施設があるため、いちご狩りのスポットとして定着しつつあると感じています。
 甘くて美味しく安全ないちごを提供したい、その思いを持ったいちご農家たちが集まる研究会にも積極的に参加することにしています。栽培に詳しい人の生の声は共感する事も多く勉強になります。また、商工会議所青年部に入り、異業種の方々との出会いや繋がりで、本当に貴重な経験をさせてもらっているなと実感しています。近年販売を開始した生いちごシャーベットがまさにそうで、青年部員とのつながりで生まれた商品です。このシャーベットは評判を呼び、レジャー施設などからも要請を頂き、販売を開始させています。また、再来年を目指し、イベント時にキッチンカーでいちご屋が提供するいちご商品の販売を計画中です。通常は裏方でお客さまと会話をすることはあまりありませんが、時折の接客で各地から見える方々の話をお聞きするのは興味深いものです。外に出て行って、色々な人と出会えるのを楽しみにしています。そして冷凍庫を設置してフルシーズンで美味しい、いちごを味わっていただけるようなシステムを作っていきたいと考えています。
今までもこれからも、やはり一番の天敵は天候不順です。昨年末は気温が不安定でいちごの成長が遅く、お客さまに大変ご迷惑をおかけすることとなりました。台風対策は講じることは可能ですが、この天候不順はここ最近の悩みのタネです。
 小さい頃は遊び場だったいちご畑、いちごを仕事として13年。今ではいちごの顔を見れば美味しさがわかります。オリジナリティーを持った農園も増えてきています。お客さまも、ずっとリピートしてくれるとは思っていません。が、数年経って戻ってきて頂いた時「やっぱりここの苺は美味しいね」と言って頂けるように、丁寧にいちごを作っていきたいと思います。そんな僕ですが、苺を食べるのは1年に1個くらい。カワイイいちごのお世話係りに徹しています(笑)。

市野敦紳さん
半田市生まれ、在住  
趣味:スポーツ観戦、キャンプ、まだまだ長く楽しめるもの探し中

■所在地/半田市田代町156−1  ■TEL/27−7586  http//www.ichino-15.com   
■営業時間/9:00〜15:30  ■定休日/年中無休  ■完全予約制(いちご販売は随時)