

2018年6月29日(金)
――ここは三軒長屋と呼ばれているんですね。とてもオシャレですね。
亀崎空き家再生プロジェクトの一環で、築100年ほどの三軒長屋をリノベーションし、昨年8月に生まれ変わりました。私のお店と、カフェ、亀崎のお土産と常滑の陶器を扱う店舗が入っています。木の香りが漂い、高い天井の窓の外には青空が広がり、ベンチ式のイスやワインの箱のテーブルが置かれた遊び心あふれる空間です。私が子どものころは、この辺は魚屋さんや八百屋さん、お風呂屋さんなどもあり、活気あふれる街並でした。近年は閑散としていましたが、最近はインスタ映えを狙ってでしょうか、休日には、お店の前の通りを歩かれる方が多くなりました。亀崎の街が賑やかになるお手伝いをさせていただいているようで、嬉しく思っています。
――おやつなフランス菓子のお店なんですね。フランスのお菓子との出会いは?
OL時代にお菓子教室に行っていましたが、物足りなさを感じていました。そんな中で、長く仕事をするために手に職を付けよう、好きなお菓子作りをしようと、思いきって辻製菓専門学校に入り、2年目は学校のフランス校で学びました。スタートが遅かったので、徹底的に学びたい、パリはスイーツの都と言われていますが、現地のお菓子を見たいと思っていました。フランスではお菓子は身近な存在で、食後にはデザートとしていただき、おやつ感覚なんですね。日本でももっと手軽にお菓子を楽しんでいただけたらと思っています。
卒業後は東京のホテル内のパテイスリーで働きました。その後、会社で同期だった今の主人と再会して、結婚し亀崎に戻ることになりました。
――そして、お店を開店されたのですか?
いずれお店を持ちたいと思っていたのですが、10年間は子育て中心の生活でした。器用な方ではありませんから、子育てしながら働くのは少し不安でした。子どもが手を離れ始めた頃に周囲から「お店を始めたらいいんじゃないの」と背中を押されて、私も「今なら出来るかな」とその気になった時に、このお店と出会いました。今は家事、育児が大前提で週休3日ですが、子育てを卒業したら、もっとお菓子に関われるのではないかと楽しみにしています。
――お店のお勧めは何ですか?
毎朝焼いているフルーツタルトです。生地と旬のフルーツを、オーブンで焼くのがフランス式です。これからの季節はイチジク、ぶどう、チェリー、オレンジなどのタルトを楽しんでいただけます。また、お店のマークにもしていますが、アルザス地方のお菓子、クグロフもぜひお召し上がりください。今は焼き菓子が中心ですが、いずれは色々なものに挑戦したいと思っています。お菓子は材料を吟味し、余計なものは使わず作ることを心がけています。シンプルということですね。店名も私の名前、のりこから付けました(笑)。
――お菓子作りを、本当に楽しまれているようですね。
何も分からず本だけを見て作っていた頃に比べると、お菓子の仕組みが分かり、楽しく作っています。材料はバター、砂糖、玉子、薄力粉などと限られたものですが、分量、気候などの些細な違いによっても異なってきます。お菓子作りは科学だと感じています。お菓子ときちんと向き合い、丁寧に作れば美味しいものが出来ると思っています。
先ずは、多くの方々にお店の存在を知っていただきたくて、イベントに参加するようにしています。6月に開催された『はんだマルシェ』に参加しました。10月21日に開かれる『ろじうら』にも出店します。皆さん、遊びに来てくださいね。
2018年6月13日(水)
――姿勢、とても美しいですね。
姿勢の良し悪しで、その人の印象は大きく変わってくると考えています。ヴェーネレ美容法の教室(表情筋トレーニング、健康促進の足つぼ指圧、立ち振る舞いなどのトータル美容)の講師として、その辺りは気をつけなければと心しています。私は目立ちたくないと、人の陰に隠れるように控えめに生きてきましたが、人前でも積極的に出て行くことができるようになりました。
――ヴェーネレとの出会いで、生き方が変わってきたんですね。
そう思います。以前は惰性で生きているような部分もありましたが、何事にも前向きに取り組めるようになりました。出会いのきっかけは、40歳を過ぎた頃にカラダに老いを感じるようになって(笑)。このままじゃいけない、何とかしたいと思った時に情報誌の表情筋セミナーの案内が目に止まり、何か一つでも覚えたいと軽い気持ちで参加しました。以前に主宰者の本を読んだことがあって、半田でその人のセミナーがあることを知り興味津々でした。その考えに共感し、その場で入会し、頑張って1年半くらい経った頃には講師の資格を取得していました。
――その頑張りの要因はなんでしょうか?
息子の彼女に間違えられたり、娘からは「以前より若くなったんじゃない?」と言われご機嫌でした(笑)。それまでの私は飾り気がなく、ジーパンとTシャツやトレーナーを愛用し、楽でジャブジャブ洗える服が一番と思っていました。でも自分に自信が持てるようになってくると、お化粧や洋服にも気を遣うようになり、スカート丈も短くなっていき(笑)、いつでも笑顔で暮らせるようになりました。
――笑顔は幸せを運んできますからね。
お母さんの笑顔は家庭を明るくし、家族みんなの幸せにつながっていくと信じています。先ずは家族それぞれが幸せになって、その幸せの輪が全ての家庭に広がっていくことを願っています。自分を磨き笑顔になると心に余裕が生まれ、キレイな洋服を着たくなり、お出かけもしたくなります。そういう機会が増えれば、半田の経済効果が上がるんじゃないかしら。
――半田の活性化のためにも、先ずは魅力的な女性が増えることですね。
そのためのお手伝いをしたいと思っています。会員制ですが、週に半田で4回、名古屋で1回教室を開いています。興味のある方はご連絡くださいね。以前『半田1万人笑顔プロジェクト』、『女性が心も体も健康で美しく』というテーマで、表情筋セミナーと体操の会を企画したことがありますが、笑顔いっぱい、元気いっぱいの女性が増えれば嬉しいですね。
ヴェーネレはイタリア語で『美の女神』という意味です。美しくなるためにはイメージが大切で、「こんな風になりたい」という、具体的な目標を持つことが理想に近づく一番の近道です。私はオードリー・へップバーンの写真を身近に置いています。
――『ヴェーネレミラクルチェンジコンテスト』も開催されているんですね。
過去の自分より、どれだけ美しくなったかを競うコンテストです。優勝を目的とするのではなくて、美のプロフェッショナルを育成するために開催され、全国から多くの方が参加されます。私は名古屋で開催された大会に出場し、ファイナリスト50人として舞台に立てたのはとても嬉しかったですね。その時、母も参加しました。母は脳梗塞や圧迫骨折をして、一時は無気力のまま生きていましたが、体操したりお化粧をしたりして意欲を取り戻し、今イキイキと生活をしています。
美しくなるということは、単に外見が変わるだけでなく、女性として自信を持つことだと思うのです。ご一緒に自分磨きをしませんか?
2018年4月27日(金)
――お仕事内容を教えてください。
(株)メディアマガジンで、タウン情報誌 月刊『Step』の営業をしています。入社して3年目を迎えました。それまでの私は小学校から陸上一筋で、地元に愛着がある訳でもないし、ただ住んでいただけという感じでした。韓国の友人が来日した時に、どこに何があるか、どんなお店があるかも知らなくて、どこにも案内が出来なかったんですね。旅行会社や歯医者に勤務していたこともありましたが、次に働くなら、自分のためにも人と関わりながら、地元を知ることが可能な職種に就きたいと思っていました。そんな時に『Step』の営業職を募集していたので、入社しました。
――実際に関わられてどうですか?
のびのびやらせてもらっています。でも新規のお客さまをお訪ねする際に、門前払いされることもたまにあります。そんな時は、どうしたら掲載をお願いできるかと考えます。実際、掲載いただいたお店からは発行日(毎月25日)の週末は忙しくなる、クーポン利用の枚数が多くなる、問い合わせが増えた等の声が届いています。PRのお手伝いが出来ているのかなと。そういうお言葉をいただくと嬉しいですね。
――励みになりますね。
「ありがとうね」と言っていただけると、とても嬉しいです。弊社はその他にも情報誌『くらむ』の発行や『ちたまるスタイル』の営業も行っています。そのため、お客さまの商圏に合わせて『Step』以外の情報誌をご提案することもあります。また、企業やお店のロゴやチラシ、ホームページ等も作成して幅広くお手伝いさせていただいています。私は行動してから考えるタイプ、先ずはお声をかけてください。全力で頑張ります。
――月刊誌のお仕事はとても忙しいと思いますが、1日に何店くらい回られますか。
エリアの半田・阿久比のお客さまをお訪ねしますが、多い時は朝9時半くらいから夕方の6時、7時まで、MAX10店くらいです。掲載のための打ち合わせから、取材までですね。文章を書くなんて想像していなかったので、最初「うそー、書けないよー」と思いました(笑)。元々、文章を書くことが苦手でした。でも書かなくっちゃと、雑誌やテレビのキャッチコピーなどを見るようにして、アンテナを張っています。苦手だからこそ、やらないといけないと闘っています(笑)。読むことも好きではなかったのですが、今ではお店等に入るとメニューやポップに自然に目がいってしまいます。日頃の癖で自然に校正をしている時もあり、間違いを見つけると、「やったー!」と嬉しくなります(笑)。
この業界に興味が出て来たのだと思いますが、アンテナを張ると張らないでは、こんなに違いが出るのかと自分でも驚いています。
今では知多半島の色々な場所や、良さに気づくようになりました。半田赤レンガ建物や新美南吉記念館、MIM等のスポットや良さも知りました。お店に伺うと地元以外の出身の方から、「知多半島は食材や自然に恵まれているんだよ」と教わることがあります。仕事を通して色々な勉強をさせていただいています。
――入社動機でもあった『地元を知る』目的はクリアされたのですね。
ご飯を食べに行く時は「どこかいいところない?」と聞かれたり、習い事を始める年齢になった子どもを持った友達からは「どこかいい教室を紹介して?」と頼まれ、友達から便利がられています。地元を知り、知多半島が好きになりました。
これからも色々な引き出しを持ちながら、当社のモットー『お客さまのお店を繁盛させたい』に則り、知多半島をより住みやすく、楽しくするための情報をお届けしたいと思っています。
2018年3月31日(土)
――着物、とてもお似合いですね。
ありがとうございます。結婚前に着付けをかじった程度で、勤め始めた頃は一人で着ることはできませんでした。でも浴衣は大好きで、浴衣を着るために、子どもを盆踊りに連れ出したこともありました(笑)。今では着物もとっても好きになりました。日本文化に触れることが出来るのも、木曽路に勤めているからと感謝しています。
――お勤めされてどのくらいですか?
結婚前は保育士をしていて、人と接するのは好きだったんですね。それで子どもが保育園に入園したのを機に、何かしようと考えていました。そんな時にたまたま募集チラシが目に留まり、お勤めするようになりました。最初は3時間くらいの勤務でしたが、今では一日の半分くらいはここで働いています。子育て中は子どもを置いて働くことの後ろめたさや、可哀想かなと思ったこともありました。でも主人や両親が応援してくれたので、今まで働けたと思っています。働き始めて22年になります。
――22年、長い年月ですね。
接客とフロントを担当し、この間に人として大切なことを教えていただきました。それを実感できる職場だから、長く勤められたということもあるでしょうね。お客さまと接し、気づきや思いやりの大切さを学んだことは、私の人生にプラスになったと感じています。勉強会ではきちんとしたおもてなしのマニュアルに則って指導いただき、その姿勢に心打たれています。半田店にパートとして入社後に店長として活躍され、現在は本部の教育トレーナーをされている半田出身の方がいらっしゃいます。その方の下で、厳しい中にも愛溢れる教えを学ばせていただいています。遥か遠い存在ですが、いつか少しでもその方に近づけたらと思っています。
――素材や、秘伝のごまだれ、おもてなしと、様々なこだわりがありますね。
木曽路はそれらに加え、地域の方に喜んでいただきたい、食を通して幸せになっていただきたいという思いがあります。季節毎の行事や各種宴会、ご慶事、特別な日、大切な日など、それぞれの場面でご利用いただいていますが、お客さまから「ここでやって良かった」「また、来るね」というお言葉をいただくととても嬉しいですね。働く励みになっています。
――最近は『お食い初め膳」が人気ですね。
「お食い初め」はご誕生100日目にお子さまが、一生食べ物に困らないように願う儀式で、その祝い膳が『お食い初め膳』です。1年ほど前からオファーが増え、平日でも一日に3・4組のお客さまがお見えになることもあります。ママ友同士の口コミでも広がって、お友達が木曽路でやって感激したからと、お越しになるお客さまが圧倒的に多いですね。おじいちゃん、おばあちゃんとご一緒という方もいらっしゃいますが、お若いご夫婦と赤ちゃんだけのお客さまも増えています。私たちはお食い初めの謂れや、お料理一つひとつの意味を説明し木曽路流のお食い初めの儀式をお手伝いし、ご家族一緒に楽しんでいただいています。そして満1才のお誕生日の儀式もご用意しております。一生に一度のことですから、誠心誠意努めさせていただいています。幸せイッパイで、感無量のご家族を幾組も拝見してきました。そういう感動の場と出会え、働いている私たちも幸せのお裾分けをいただいています。お客さまからの「ありがとう、ここでやって良かった」の言葉は、私たちにも大きな幸せを運んでくれています。
――従業員さん同士、和気あいあいですね。
みんな仲良しですね。女子大生さんも多く働いていますが、私の娘より若くてみんな可愛いですよ。大学の卒業が決まり、ここを巣立っていく子たちとの別れは辛くて、みんなで涙、涙で送ります。「ここで学んだことが、社会に出てから役に立ちます」と言ってくださる子もいて、私たちも嬉しくて、また涙です。そんな彼女たちが社会人になって、お客さまとして店に来てくれることも嬉しいことです。結婚して時間のある時にお手伝いに来てくれる人もいて、年末年始の繁忙期には、懐かしい顔ぶれが揃います。そんな時、人と人がつながっていることを実感できます。
たまたまのご縁で入社しましたが、今店長や接客長の下で働けていることが幸せです。とても充実した毎日を送っています。
2018年2月28日(水)
――今年、社長に就任されたそうですね。
2018年1月7日、私の誕生日に社長に就任させていただきました。父からの誕生日プレゼントですかね(笑)?就任と同時に若返りを図った組織変更をし、口を出しすぎてしまうからと、父は相談役としてバックアップしてくれています。この業界はまだまだ男性社会で、当社も女性役員はいなかったので青天の霹靂でした。次代として父にいろいろな場面に連れていってもらいましたが、懇親会などに行っても、ウエイトレスさんやコンパニオンに間違えられ戸惑うことも多かったですね(笑)。自分の立場やいろいろな事に悩んでいる時に、青年会議所の洋上研修船「とうかい号」に乗船する機会を得ました。自分を変えたいと思って乗船しました。同世代の経営者や後継者の方々と出会い、刺激を受け、寝る間もないほどのセミナーやイベントなどがあり、貴重な経験をさせていただきました。それから「新美舞」として、甘えず生きていく自信が生まれました。以後は仕事がより楽しくなり、父も仕事を任せてくれるようになりました。
――女性社長さんですと、女性社員さんも心強いでしょうね。
女性従業員の多い職場ですので、女性が働きやすい職場環境にしていきたいですね。代々「従業員は家族、大切にするのだよ」と言われていました。社長になって改めて、その言葉の意味を考えています。親身になって会社のことを考えてくれる従業員が多く、心から感謝しています。人財ですね。また、お仕事関係以外の人にも恵まれていると思っています。より深く女性従業員の気持ちを理解するためにも、私自身も早く身を固め母親になりたいなと思います。私の個人的な10年計画では今年中に結婚し、40歳で4人の子どもが欲しいですね(笑)。また、従業員のみんなと様々な資格取得のために勉強をしています。一時期、合格通知がもらえるのが嬉しくて資格マニアだったこともあり、秘書検定や簿記、ネイリスト、ダイエット検定などいろいろ取得しました。しかし今は会社運営のために必要な資格取得のために勉強をしています。
――お話を伺っていると、とてもポジティブな方だと見受けられますね。
自分のポジティブさも少しだけ改善しようと思っています。若い世代に向けて新商品として、『パクチーあられ』、あられにチョコをしみ込ませた『あられチョコチョコ』を販売しています。「絶対美味しいから絶対売れる」との思いで開発し「売れなかったらどうしよう」とは考えません。ネガティブなことが全く考えられない社長はだめかなと、時々反省しています。当社は中小企業なので、思い立ったらすぐ実行に移すことができます。その強みを生かして、今までの固定概念を覆すような商品を作っていきたいと考えています。
――入社後、様々な取り組みをされたようですね。
入社当時まずおかき屋辰心本店とネット通販を任していただきました。日本には季節毎に素晴らしい慣習があります。その慣習を幼い頃より日常で母から学んでおりました。うちでいうと鏡餅を飾る、お月見団子などなどやらない家庭が増えてきているように見受けます。だからおかき屋辰心では子どもたちにイベントを通じて、日本の文化を伝えていけたらいいなと思います。また、お客様の年齢層が高いので、最近は若い方にも知っていただけるよう、ネット通販や商品開発に特に力を入れています。しかし、ネット通販の客層を見ていると若いお客様だけではなく、ビックリするような年齢の方がネットを使って購入していただいていることに気づき「私ももっと頑張らないと」と思わされます。まだまだお手紙や電話での注文も多いです。90歳を超えられた文通友達も出来ました。どんなかたちであれ遠方の方にも「美味い」をお届けしていきたいですね。
――挑戦はまだまだ続きますね。
昨年の7月にリノベーションした古民家でお米や海苔にこだわったお食事処『範丈亭』をオープンしました。喫茶・お食事・barと、それぞれのシーンでご利用いただけたらと考えています。イベントなどのお弁当、慶弔時のお料理もお任せください。今後は・・・やはり竹新の事を直接お伝えし、お客様の声も直接聞くことのできる『おかき屋辰心』のような直売店を増やしていきたいですね。
今年の10月に『おかき屋辰心』が出来て25年になります。これからも、色々なことにどんどん挑戦していきたいです。