半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

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主役はいつも人

2024年8月30日(金)

株式会社カナマル 代表取締役 石川 祐輔氏

祖父君、父君とも社長という経営者一族の長男として(3人兄弟)生まれ、『経営者としてあるべき姿』は既に刷り込まれていたが、音楽が好きでカラオケ機械メーカーに入社した。どうしたら高得点を出せるか?気持ちよく歌えるか?を昼夜考え、機材やマイクの調整や保守のために自ら歌うことが仕事だった。
 「趣味と仕事がマッチした順風満帆な8年間のサラリーマン生活でした。2010年に祖父が会長を務めていたカナマルの顧問から、後継者として戻ってきて欲しいと連絡がありました。こんなに楽しい毎日と別れるのは嫌だと思いましたが、『自分の運命』と受け入れました。全く違う業界で何も分からない上に、リーマンショックの影響で売り上げもダウンし、地を這うような状況下での入社でした。その後、病で社長が辞任、仕事も減り3日出社して4日休みという中で社員の士気も下がり、自分の無力さを痛感する日々でした。何とかしなければと「頑張って行こう!」と社員らに声がけをしても「こんな会社のためになんで頑張らんといかんのだ?お前が宇宙人に見える!」とさえ言われました。私自身も『引き継ぎもなく、赤字会社を丸投げされたか…』と憤慨しながらもやるべき事をやっていました」 
 2011年、中小企業家同友会に入会し、書籍『人を活かす経営』の一文『経営者はいかなる困難な状況にあっても、原因を他に求めたり諦めてはいけない』という言葉と出会った。その瞬間、全身に激震が走り、他責思考であった自分を深く恥じ、以後は全て自分事として捉えるようになった。社員と一緒に課題を解決し、経営理念や方針を掲げ、同友会の仲間にも包み隠さず悩みを打ち明け、アドバイスを受けた。現況を打破するためにやるしかないと自分を追い込み、一心不乱に働いた。 
 「2012年、社長就任時に会社を立て直していくことを宣言し、全社員と意を共にしました。以後、従来からの仕事、クレーンの重要部品の製造のみから業務拡大するため社員が一丸となり、今では建設機械、産業機械、各業種(輸送機械など)の溶接・機械加工・塗装・組立加工による製造業務を獲得しました。社員の結束力・技術力が花開いた結果だと感謝しています。一人では1馬力、複数では人数以上の馬力が出ることを実感しました。当社は図面1枚から材料手配-溶接-加工塗装-組立まで一連の工程をワンストップで対応できる強みがあります。その強みを実現するのに欠かせない広い工場と多様な設備を完備しています。また、得意とする厚い鉄同士の溶接は外面からはその品質は分かりません。しかしながら、当社の技術力を信頼していただけ
ているからこその仕事であり、付加価値の高い仕事に携わっている社員が誇りであり、カッコいいと思っています。夏は暑く冬は寒い工場内で、一生懸命モノづくりをしている社員たちには感謝しかありません。私自身は現場の仕事は分からないし、中途半端に関わっても邪魔になるだけなので、現場の作業は任せると決めています。自分の経験を会社の成長につなげて、社員みんなで成長していけるような、共に育つ関係でありたいと思っています。経営理念は『私たちは夢を形にするものづくりに挑戦します。私たちは笑顔で地域社会に愛される会社になります』です。「こんなものが欲しい」「あんなことに困った」など、多品種少量生産のお客様の要望(夢)も形にするために、知恵と技術と情熱でお応えするスペシャリスト集団です。主役はいつも人です」 
 社長に就任して12年。台風19号(2019年)の襲来により取引先の災害、コロナ禍など、時々壁にぶち当たって崩れそうになった時もあったと語るが、昨年工場を耐震補強して次代に向けて歩みを進めた。『AI時代が到来する』と言われる昨今、広大な工場や設備などを必要とするこの業界への新規参入はほぼなく、廃業する企業が増えているのが現状のようだ。技術力を誇る同社は、これからを担う人材育成に注力し、市場を拡大してきた。
 「当社は新規受注も増え、間違いなく伸びていきます。モノづくり歴107年、積み上げた経験と実績が証です。1917年、金丸勇氏が糊付機、整経機及び織布準備機械の製造販売会社として金丸鐵工所を設立した当社は、1980年に資金的に行き詰まり倒産しました。業界にとって重要な機械製造に関わっていた当社が無くなると繊維業界に悪い影響が出るということで、当時繊維に関わっていた祖父の石川三三に白羽の矢が立ちました。負債額14億円を5年で再建しましたが、国内での繊維業界の衰退に伴い、90年(株)カナマルとして『建設機械の部品製造業』にシフトして行き、現在に至っています。今も祖父を知っている人に出会うと「偉大な人だったね」と孫である私を可愛がってくださる方も多くいます。そんな祖父を持ち光栄だと思っています」 
 創業者は米騒動が背景にある時代、繊維に着目して人々が少しでも豊かになることを願った。その使命感と不屈の精神が脈々と同社に受け継がれている。 
 「その継承は重いのですが、世の中のお役に立つためにチャレンジし続けます。それが私の使命です」

●ちょっと一息●
 両親はビートルズ世代でいつも家には音楽が流れていました。父(家業の石三織布代表・当時)がギターを弾くのに影
響されエレキギターに夢中になり、だから大学は電気科に進みました(笑)。その頃からバンド活動をしてギター・ボーカルを
担当、大学を2年間休学して音楽活動に没頭していました。本当に自由に好きなことをやらせてもらって感謝しています。
 そのツケが回ってきたのか(笑)、戻ってきてからは偉大な祖父のプレッシャーに押し潰されそうになりながら、娘が生まれ
た時も「会社が倒産したら育てることができるか?」と不安でしかありませんでした。その娘も今は4歳になり、私の好きな
釣りの英才教育をしています。そんな家族との時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれるかけがえのない時間です。

1976年半田市生まれ。2002年大同工業大学電気科卒業。業務用カラオケを扱う(株)エクシング勤務を
経て、10年(株)カナマル入社。12年現職。愛知中小企業家同友会南尾張支部副支部長。当所議員。



防災を日常生活に取り入れる

2024年8月30日(金)

笠井防災教育考究社 笠井 貴洋さん

『南海トラフ地震発生の確率は10年以内で30%程度(政府・地震調査委員会:2024年)』と発表されていますが、震災は目に見えないので、ついつい考えることが後回しになっているように思います。実際には発災後に「もっと準備しておけば良かった」と後悔される方は多くいます。私自身、そういう場面を多く見てきました。 
 自衛隊員として新潟県中越地震(2004年)の災害派遣で避難所支援に行った時に、防災を想定し準備をしてきた方、防災知識が全くない方、知識はあるが物資が揃っていない方など、様々な状況を目にしました。そんな様子を見て「防災を知っていれば、被災後の生活の辛さを軽減できるのでは」と考え起業しました。防災士を取得し被災地へボランティアに行き、色々な情報を収集し、動き出すまでに3年ほどかかりました。防災講演会や防災講義、防災バーベキューに集まってくるのは1人、2人、寂しいからと知り合いを呼んでいただいてのスタートでした。 
 防災バーベキューは、火の付け方を学んだり、家庭にあるもので調理をします。例えばスパゲッティを1日ほど水に付け、ふやけてきたら湯煎をするとモチモチの生スパができ美味しくいただけます。避難所で色々なことを考え過ぎて塞いでしまう方もいるので、何か役目を作ることは大切なことです。特にお子さんは時間を持て余していますので、「お願いね」と頼めば、自身が役立っているという充実感も生まれてくるでしょう。簡単な調理はお子さんにお勧めです。命を繋ぐために『食べ物』は大きな要素です。「災害時に食べられるだけでありがたい」と言われていた時もありましたが、美味しくなければ頑張って生きていこうという意欲が萎えてしまいます。ガスや電気を使わず、家にある食材で安全で簡単にできる美味しい食べ物を情報としてお伝えしたい
と、自宅で食材と格闘しています。これはほんの一例ですが、正しい知識を持ち必要なものを備えることは、防災の第一歩と考えています。
 今、私は地域の防災力を高め、安心・安全な街づくりのお手伝いをしています。子どもの頃から人の役に立ちたいと、警察官を目指しました。就職時は超氷河期時代で、何度かチャレンジしましたが、願い叶わず郵便局に就職しました。配達、貯金のPR、時には高齢の方の話し相手という業務でしたが、もっと人々を守る仕事に就きたいと考えていました。高校時代の部活動、銃剣道の大会は自衛隊主催であり、合宿場は自衛隊の宿泊施設でした。そんなご縁で身近な存在であった自衛隊員になりました。除隊した今も即応予備自衛官として年間30日の訓練を受け、災害時にボランティアとして被災地に赴いています。 
 企業、一般の方を対象に講演、講義、炊事、キャンプ、防災用品紹介・解説、護身術(避難所で身を守る)など、防災に関わる事業をしています。一見、防災から遠いような花火も重要事業です。コロナ禍の中で、日本各地でシークレット花火が打ち上げられました。私も花火師として、花火が上がる度に聞こえてくる歓声を聞きながら『花火は感動を与え、人の心を癒す大きな力を持っている』と実感しました。被災時にもその感動や癒しは必要なことだと思っています。
 また、 BCP(事業継続計画)とBCM(事業継続マネジメント)対策を提案しています。緊急事態発生時に自社が困ることは?から手順を導いていきます。より具体的な提案ができ、災害直後から反映できると自負しています。色々なご縁が繋がり、工場・医療関係など幅広い業界の方々からお声掛けをいただいています。様々な業界の勉強が必要で学ぶことばかりですが、新しい知識や経験を、多くの方に伝えることに喜びを感じています。知らなかったことを知るのは楽しいものです。私の生活は常に防災に繋がっていて、電柱を見たら、「地震でこの電柱が倒れたらどうなるだろうか?」と心配してしまいます(笑)。
 防災に関わり20年ほどになります。たまたま携わった企業が隣接する会社の業務を知らないことに驚いたことがありました。話の流れから「この製品が作れなくて困っている」「隣で作っていますよ」そんな会話を交わし両社の橋渡しをしました。仕事を通じて、お役に立てることは嬉しいことです。企業は災害が起きた時に地域の力になるのが必要なことだと考えています。所属する半田商工会議所青年部の仲間にも、コソッと防災の大切さを呟いたり、商品を何気なく見せています(笑)。 
 防災は禍を防ぐことです。防災は面倒、よく分からないと思われるかもしれませんが、日常生活に防災を取り入れて生きる力を伸ばし、大災害に遭遇しても一緒に生き延びましょう!そのお手伝いをしています。

■ 住所/半田市花園町6ー5 ‒13 TEL/090ー9183ー7954
■ 営業時間/8:00~18:00 受付対応日 月曜日~金曜日
 防災・危機管理アドバイザー・青山中学校避難所運営委員会委員長・鴉根消防団団員
 大浜煙火保存会会員・応急手当指導員 他



新営業所完成 知多乗合㈱

2024年7月31日(水)

路線バスなどを運営する知多乗合㈱の
新営業所が完成した。

6月26日の完工式では、
「時代に合ったバス運行拠点が完成。働きやすい職場づくりとバスの安全運航に努める」
と社長の金森氏が挨拶。

同営業所には従業員の健康増進を支援するための器具が設置され、災害時の睡眠場所として利用できるよう一部の施設にカーペットを採用している。

代表/金森隆浩
住所/半田市住吉町2-163-7
TEL/21-5231
URL/https://www.chitabus.co.jp/



5/25(土)新規オープン Café Pollen

2024年7月31日(水)

名鉄知多半田駅とJR半田駅の中間にある中町1丁目交差点の角地に、コーヒーとスイーツが楽しめるカフェが新規オープンした。以前はフランス料理店だった店舗の良い雰囲気を残しながら、「半田市商業施設助成事業費補助金」を活用し、穏やかな時間が流れる店内に改装した。
雑貨店店長経験のある代表者がセレクトした雑貨も取り扱っているため、気に入ったものは購入して家でも楽しむことが出来る。

代表者/片山明日香
住所/半田市中町1-72-2 F・Yビル1階
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜および不定休



テラヘルツ波を利用した節電を提案 !

2024年7月31日(水)

有限会社 榊原技建

有限会社榊原技建は、28歳で世代交代した榊原翼氏が今年で3年目を迎え、新しい事業に挑戦をしている。
 同社は、平成元年半田市瑞穂町にて榊原技建として、前代表榊原渉氏が24歳の時に開業。総合建設業からスタートし、平成8年に法人成り、現在37年目を迎えている。渉氏は、60歳前後には代表取締役社長を後継者にバトンタッチをしたいと以前から考えており、令和3年に翼氏に世代交代をした。
 同社の事業は、土木部門として、道路工事、下水道工事、災害復旧工事、河川造成工事、宅地造成工事。建設部門は、建築外構工事を迅速で丁寧な仕事を目指し、多くの同業者等の協力を得て手掛けてきた。現在は下請工事がメインであるが、いずれは自社が元請として工事受注できるように体制を整えている。 
 時代も変わり、今まで通りの事業だけではいけないと翼氏の考え方を取り入れ、㈱ゼニス・アドバンと代理店契約を結び、令和5年度から新事業として「テラヘルツ波」技術を利用した「テラヘルツ事業」に挑戦し始めた。
 では「テラヘルツ波」はどんなものであろうか。以下は同社のHPからの拝借である。
 『「テラヘルツ波」はNASAが発見した電磁波で、人体に良い効果を与える遠赤外線の一種であると発表されています。テラヘルツ波は、可視光線を含まない赤外線から、レーダーなどに使用されるミリ波まで、周波数と、とても幅広い領域です。
1Thz(テラヘルツ)とは、1秒間に1兆回の振動数のことをいいます。テラヘルツ波は、可視光線の光波とレーダーや携帯電話などの電波の中間の領域で、光の持つ直進性と電波の持つ透過性の2つの特性を併せ持つエネルギー帯。育成光線は、(テラヘルツ波)の中の遠赤外線の中の波長・周波数のエネルギー帯のことをいいます。この育成光線をさらに絞り込み、周波数(テラヘルツ)前後、波長(ミクロン)前後のエネルギー帯を開発しました。これを弊社では「TB波エネルギー(Tera Bio Wave Energy)」と呼んでいます。TB波エネルギーには大きな特徴があります。それは、このエネルギーを照射した物体は、TB波エネルギーを放射する物体に生まれ変わることです。これを弊社ではTB-Tech加工と呼んでいます。TB波エネルギーを使うことで、節電効果が実現します。大がかりな設備投資がいらず、効果抜群の節電プランです。』 
 「テラヘルツ波」は、世界中で医療や通信、工業、農業、美容など様々な分野で注目を集めており、さらには近年高騰している電気代削減にも多くの効果が期待できる為、同社は節電プランとして提案している。同社は、この節電プランを用いて、美容
クリニック外科、大手スーパー、フィットネスジム等の施工を手掛け、電気代の節約ができ、大変喜ばれている。また人材育成に
も力を入れており社員には2級土木施工管理技士資格試験等に挑戦してもらい、多くの資格保有をしている。翼氏は、令和6年度中に1級土木施工管理技士資格取得を目指している。
 翼氏は「社員とのコミュニケーションを通じて、何を考え求めているのか把握することが大切である」と述べる。また、「同業他社と比べ平均年齢が若い人材で、迅速かつ丁寧な仕事を心掛けていきたい。建設土木工事とテラヘルツ節電工事を両立させ、事業拡大を行っていきたい。近い将来、宅地建物取引主任者の資格をとり、宅地造成事業にも力を入れたい」
と語る。(取材:中村稔晴)

【住所】半田市高砂町62-1  【代表】榊原 翼
【TEL】26-0609  【休日】土・日曜日
【HP】 https://sakakibaragiken.jp
【E-mail】 sakakibara.giken@nifty.com