2025年8月6日(水)
地域文化をどう残していくのか?デザインの有効活用を探り、そのために様々な挑戦をしてきた。車のデザイナーを目指し芸大に入ったが、卒業時は就職氷河期、フリーランスデザイナーとして社会人になった時、奇縁に導かれるように『地域』と巡り合い、情熱を注いできた。
「母校がある西春町は区画整理中で『大学と連携してまちに賑わいを!』という動きが始まりました。フラフラしている私に声がかかり(笑)、大学とまちとの連携事業の拠点責任者のようなお役をいただきました。当時の日本のものづくりは輸入商品に押されて売上が低迷していました。日本のものづくりの世界をもう少しクローズアップし、売れる流通の仕組みを考える必要があると思いました。それで仲間と流通会社(ショップ)と、人的ネットワークを組織するNPO法人を立ち上げました。その後『東京ミッドタウン』に出店することができ、そこではモノを売る大変さ、モノが売れるのにデザインと価格と品質のバランスの重要性を肌で感じました」
その経験を糧に、2008年に名古屋でデザイン会社RWを設立した。商品開発、製造、販路開拓など、領域に縛られず、地域にある資源を未来に繋げるために、伴走支援をしてきた。時には『地場産業とは?』と考え込んだ。そんな時、今年5月から東海三県下に根付く発酵の知恵と技を、展覧会や体験プログラムを通して味わい尽くす『発酵東海ツーリズム』のクリエイティブを同社で担当することになった。
「そこで半田市観光協会とのご縁をいただき、今、半田は変わっていこうとする気運が高まっていると感じています。かつて、アントレプレナーシップを持つ起業家をたくさん輩出し、そういうアイデンティティが残っているまちであり、地域のポテンシャルが高いと感じています。醸造業を地場産業の代表格とする半田は『発酵ツーリズム東海』を通じて、『世界でも稀な発酵の集積地』とインプットし、反転していく可能性を感じています。ただ、今年度から『半田赤レンガ建物』の指定管理者を務めている半田市観光協会から館長にと言われた時は『寝耳に水』で、今までとは対極の立場の主体側となると、客観的にモノが見えなくなってしまうのではという怖さもありました。会社経営の経験から、主体側の感覚が分からない訳ではありませんが、責任感をすごく感じています。そこで硬くなるより、私自身も楽しんで、地縁もない、よそ者だからこそ出来ることを取り組んで行こうと思っています」
半田は貴重な『地域の文脈』(*)と『文化資産』(資産や資源)を持っています。文化の語源はカルティヴェイト(耕す)。文化は耕やすことで新しい産業が生まれる可能性を持つ。この地の文化資産を活かした文化産業づくりを目指したいと抱負を述べる。
「赤レンガ建物のルーツはまさしくそういう在り方で、興ってきたと思っています。かって醸造文化産業が衰退し、危機感を抱いた時代のアントレプレナーが新しく挑戦したのがドイツビールであり、この建物を建築しました。醸造文化という元々の資産の上に新しくビールというタネを下ろして、この地域に新たなビール産業が誕生した歴史ある場所です。それを今に置き換えたらどうなるか?新しい文化産業が生まれることを信じています」
地域文化を紹介する企画展(*)を開催し、資源をネタに企業に活用してもらうための接点づくりを目指す。半田の盆踊り歌に「酒蔵、酢の蔵、木綿蔵」と歌われているように、かねて半田は醸造と繊維のまちであり、その原料となる米作りと綿花栽培が盛んだったことを窺い知ることが出来る。そういう土壌に恵まれた半田で、綿花と米の発酵で新しい綿花、米や酒米の誕生も想定され、耕し方によって今までとは全く異なったモノが生まれてくる可能性も持っていると注目する。
そして企画展に関連するフィールドワークを会期中に予定し、出展者に『こんなことやっているんだよ』というようなことを話してもらえれば造詣がより深くなり、生のビジネスの素材として企業側と文化資産の接点を具体的に促していけるのではと期待する。同時に月1回、氏が赤レンガ建物内で開催のデザインスクールで、資源の活用方法を学ぶことで、より動きやすい状況になるのではと実施への階段を示す。
「『発酵ツーリズム東海』のプレツアーを開催した時にアメリカのミシュラン2つ星レストランのシェフ、世界一のレストラン・コペンハーゲン『ノーマ』の発酵担当者が参加されました。彼らから「アメージング!この地区の発酵は素晴らしい」とお墨付きをいただき、世界的に見てもこの辺りの資産はすごい競争力があると思っています。住んでいる人当たり前と思っていることは、当たり前ではないことが多くあります。先ずは地場産業という一つの地域文脈を素材とし、そこで働く人、そこで新しいことを興す方達の力になり、寄り添っていきたいと思っています。
私自身は、食べることが何より好きで、酒も発酵も、そこに込めた人の探究心は、ほんとにすごいなと思っています。世界中にありとあらゆる素材を使ったさまざまな発酵がありその知恵、探求心、想像力の深さにはいつもやられています。好きな言葉は武者小路実篤の『この道より我を活かす道なし、この道を行く』です。館長としてのチャンスをいただき、自分が決めた道だからこそ、その道をどう素晴らしいものにするか。価値のある道にしたいと思っています」
たまたまのように巡り合った『地域』との関わりは、歩んでいく原動力となり、活力ともなった。
(*)道路や建物、その土地の地形や自然、歴史的背景や文化、人々の生活など、さまざまな要素が関わり合って、その土地独特の街並みやたたずまいが形成されている。都市計画や環境デザインでは、それを『地域の文脈』と表す。
(*)現在、『新美南吉の言葉と風景』開催中。
詳細は本誌16P掲載の半田市観光協会寄稿をご覧ください。
1975年三重県菰野町生まれ、名古屋市在住。
99年名古屋芸術大学美術学部デザイン科インダーストリアルデザインコース卒業。99~2001同大学同コース研究生(99年ブライトン大学(イギリス)交換留学)02年 N/N(エヌツー)設立(地域密着型デザイン事務所として運営)。05年流通会社の立
ち上げに参画。08年RW設立。15年株式会社RWへ組織変更。25年半田赤レンガ建物館長。
2025年8月6日(水)
“I wish you a bright day(光り輝く1日になりますように)”そんな想いを込めてお客様の美しい指先づくりのお手伝
いをしている。そして施術しているこのひと時、キレイになった爪でこれから過ごされる時間が“brigh(t 輝く)”ように…。
今回ご紹介する会員事業所は半田市北二ツ坂町のネイルサロン「nail salon bright」。代表の久保知夏氏は幼少期よりオシャレに興味を抱き、物心ついた頃には祖母の爪にマネキュアを塗って遊んでいた。小学生、中学生と成長するにつれ、次第にネイリストになることを将来の夢に抱くようになり、ネイルサロンに7年間勤めた。そのサロンに在籍中、たくさんの施術経験を積むことで、技術の向上はもちろん、カウンセリングからのネイルデザイン提案力や施術中のコミュニケーション力も向上した。その結果、全国展開しているネイルショップに在籍中、全店舗のネイリストの中で月間顧客単価ナンバー1を受賞したことがある。
また、独立の夢が芽生えたのは実父の影響であった。実父は会社を経営しており、経営者として従業員を率いている姿、ワイワイ明るく楽しそうに従業員と接している姿に、久保氏は小学生の時から憧れを感じており、自身も将来は独立して自分の店を持つこと、そして実父のように従業員を雇用し、明るい会社を持つことを夢見ていた。
ネイリストとしての技術を磨き上げ、28歳の時(令和6年2 月)、ご主人や家族の理解を得て自宅の一室を改装しネイルサロンをオープンした。開業当初は集客に苦労する中、お勤め時代の多くのお客様が自ら探して来店されたという。これも久保氏の人柄、技術を求めてのことであろう。同サロンは、ジェルネイルを柱にワンカラーやシンプルデザインが人気で、スピーディーかつ丁寧な施術がお客様から信頼を得ている。また、久保はお客様との空間を大切にしており、心地よく施術を受けていただくことを第一に考え、話好きな方、そうでない方、一人一人の性格に合わせた空間づくりもお客様に選ばれている理由であろう。
昨年度、当所の女性起業家支援助成金「はんだなごみ(和)サポート」に申請し、採択された。その助成金を活用し、5 月にメディカルネイルプランナーⓇを取得した。今後はメディカルネイルプランナーとして、お客様の爪の健康をいたわりながら、さらに付加価値のあるネイルを提供していく。
最後に将来について尋ねると「ネイルのみならず、まつ毛エクステを提供できるよう美容師免許を取得したい。そして自宅を出て自分の店舗を持ち、もう一つの夢である従業員を雇用し、尊敬する父のように明るい会社を作りたい」と笑顔いっぱいに答えた。 (取材:竹内圭志)
【住所】 半田市北二ツ坂町3-10-4
【代表】 久保知夏
【創業】 令和6年2月
【TEL】 080-1602-5074
※メディカルネイルプランナーとは
爪の育成技術を持つネイリストのこと。深爪やトラブル爪で悩んでいる方に対し、正しい知識と安心安全な方法で爪の健康をいたわりながら施術・提案・プランニングを行うことができるネイリストのこと
(メディカルネイルプランナー公式ホームページより抜粋)
2025年8月6日(水)
興味を持っていた空港の免税店やバイク屋さんに勤めても夢中になれない‥‥。そんな状況が嫌で、いつかは『自分のやりたいことをしたい』と考えていました。ある時、知人から「ばんがい地本店(以下、お店)がキッチンカーをやる子を探してる。やらない?」という話があり、チャレンジしようと思いました。料理の知識はあまり無く、お店の手伝いをしながら、本店名物の鶏二郎などの作り方のコツを学ぶことから始めました。料理はあまり得意ではありませんでしたが、料理好きの母のDNAを受け継いだようで、今では楽しみながら色々な料理に挑戦しています。
昨年6月からパチンコ有楽さん(東浜店・りんくう店)の駐車場で『ばんがい地 Natsuki's Kitchen』をオープンしていますが、ここでの出店も、お店のオーナーが橋渡しをしてくれました。今まで多くの方に助けられラッキーだと思うと共に感謝しています。私一人の力ではとてもこんな大きなことは出来なくて、初めての素敵な冒険にワクワクしています。
メニューはお店の一番人気の鶏天に、お店特製の甘タレを絡めた『鶏二郎』を始め、鶏天をブラックペッパーと絡めたスパイシーな『鶏太郎』、鶏二郎の甘ダレとご飯の組み合わせがばっちりの『鶏二郎丼』、ご飯との相性が抜群の『ばんがい地からあげ丼』、『ホッドック』など揚げ物を中心とする他、スイーツ系も対応しています。ご要望に応じて販売メニューをご提案できます。イベント等でキッチンカーをお探しの方はご連絡ください!パチンコ屋さんでは昼食をその場で摂る人もいるようで、お昼時は混雑することがありますが、笑顔を忘れずに接客しています。
最初の頃はこの生活サイクルに慣れなくて辛いと思ったこともありました。パチンコ屋さんでの営業時間は長く、お昼の12時から夜の10時まで営業しています。12時開店のため、10時半頃には現地に行き準備をし営業、帰宅後に翌日の仕込みをするスケジュールです。今までの生活スタイルとは時間も環境も全く違うため、大変だと思うこともありました。ですが、お店のオーナーを始め、有楽さんの店長やスタッフにサポートしてもらい毎日取り組んでいるため、今まで辞めたいと思ったことはありません。これから真夏となりキッチンカーの中は暑く大変な時期ですが、オーナーの期待に応えるべく本腰を入れて取り組んでいます。
今は月半分くらいパチンコ有楽さんに出店する他、知多半島内のイベントに出店しており、名古屋市内、三河方面にも出店しました。“まずは一回出店してみよう”精神でイベントに出店して、その成果から次回以降の出店計画を練っています。まずは挑戦!を心掛けています。イベント内容、客層によって売上が凄く違ってきますね。出店場所は抽選で決まることが多いのですが、当日どんなメニューにするのかも大切だと思っています。イベントでは鶏二郎と唐揚げと生ビールにしようとか、その時々でメニューを考え販売して、当日どれだけ売れるか?そんなゲームのような感覚を楽しんでいます。キッチンカーの前に行列ができると嬉しいのですが、長くお待たせするのは辛くて、出店後、毎回反省会をしながら今後の販売に活かしています。私自身、物事を深く考えない性格だと思っていますが、どんな商品を売ったら売上が上がるのか?そういうことを考えるのは好きなので、自分のやりたいことなら頑張れるんだなと実感しています。
今はキッチンカーに夢中になれる毎日があって楽しいです。私はこれといった趣味がなくて、何となく働いて何となく遊ぶのが嫌で、人生の楽しみって何かなとずっと考えていました。毎日の刺激になるようなことが無いと、つまらない人生になってしまうと考えていた時にキッチンカーの話をいただき、チャンスをだと思いました。今は日々の生活もダラダラすることはなく、休みの日も何となく遅くまで寝いるということは無くなりました。何も無い休みより、何かすることがある休日の方が全然いいです。
今のうちにたくさん働き、海外旅行に行ったり欲しいものを買ったり、飲食関係以外の分野(美容関係・webデザイナー)にも挑戦できたらいいなと思っています。
どこに出かけても「ここでキッチンカーで出店できるかな」などと考えたり、どこかでキッチンカーを見かけたら、興味を持って見てしまいます。今までとは視点が変わり、目標が出来たのでイキイキワクワクしています。新しい出店場所、販売方法など色々な課題はありますが、目下のちょっとした心配は、仕事のスタート時に行う唐揚げの味見です。毎日行うため、太ってしまうかな?と、そんなことも気になるお年頃です(笑)。
2025年7月30日(水)
「ステージチェンジと生き方」をテーマに、薬師寺 執事長・仏教僧侶の大谷徹奘師による記念講演を開催します。
笑いと涙を交えた語り口で、命の尊さや人との縁の大切さを伝える感動のひととき。地域の皆さまにも楽しんでいただける内容となっております。ご家族そろって、ぜひお気軽にご参加ください!
○日時:2025年9月20日(土)14:00~15:30(開場13:00)
○場所:瀧上工業雁宿ホール(愛知県半田市雁宿町1丁目22-1)
※駐車場は瀧上工業雁宿ホール駐車場および近隣駐車場をご利用ください。詳細はホールHPをご覧ください。
○内容:社長挨拶、来賓挨拶、記念講演(講師:大谷徹奘師)
○定員:1,300名
○参加費:無料
○申込方法:以下のURLからお申込みください。
https://e-ve.event-form.jp/event/108093/2x2xw8
○お問い合わせ先:瀧上工業株式会社 総務人事グループ
TEL:0569-89-2101(受付時間 平日9:00〜17:00)
2025年7月14日(月)
半田市瑞穂町から東浜町に移転オープンしました。新店舗は2840㎡の広さを誇り、新車から認定中古車までとりそろえています。また、近年はお一人で来店されるお客様も多く、スマートフォン使用が多いため、商談スペースや点検待合テーブルで充電できるようになっています。
寺本店長は「新たな設備とサービスで、地域の皆様に愛されるお店作りを目指します」と話されます。
住所:半田市東浜町2-3-1
営業時間:10時~18時
℡:0569-21-7211
定休日:毎週月曜日