2021年10月18日(月)
最近は「おうち時間」の増加から、自ら家具を作ったりリメイクするDIYに取り組む人が増えてきている。一方で、マンション住まいなど様々な理由からDIYが出来ない人や、自店舗の雰囲気や間取りに合わせた什器を求めている事業者にとっては、自分好みのデザインや色などを指定できるオーダーメイド家具はありがたい存在ではないだろうか。
今回ご紹介するrimessa works(リメッサワークス)の代表である神谷英昭さんは、東京のデザイン専門学校でインテリアデザインを学んだ後に、店舗什器製作会社や鉄製家具を手掛ける鉄工所で経験を積み、2018年に地元である半田に戻っrimessa worksを開業した。
当初はテーブルやテレビボードなどの大型家具も取り扱っていたが、主とするインターネット販売では低価格帯の小型家具に人気が集まり、また、お客様の生活環境に合ったものを作りたいという想いから、マンションなど間口の限られた住居でも使いやすい省スペース家具の製作を始めた。家具作りにおいては「鉄の持っている素材感を感じられ、他では見たことのない家具を作りたい」というこだわりを持っており、デザインや素材にひと工夫を加えることにより、収納する身の回り品がより綺麗に見え、より実用的に使えるように考えられている。
実際の商品でも、靴を斜めに掛けることで飾るように収納できるシューズラックや、水受け部分に珪藻土を使用することで衛生的に使える傘スタンドなどがよく売れている。神谷さんにそのアイデアの源を尋ねると、「知人から頼まれて家具を製作する過程から別の家具のインスピレーションが湧いたり、既存の物を掛け合わせて何か新しい物を生み出せないかと常に情報収集は欠かさない」と言う。一度は完成した商品においても、家族やお客様からのアドバイスを積極的に取り入れ、常にブラッシュアップし続けているそうだ。
また、大量生産を主とする大手メーカーでは融通の利かない「デザインは気に入っているけど違う色が欲しい」や「自宅の設置スペースに合わせてサイズを変えてほしい」などのオーダーにも、一点一点手作りしている強みを活かして丁寧に対応している。更には個人客以外にも店舗で使用する什器の製作も請け負っており、こだわりの強い事業者の注文にも見事に応えてくれる。
現時点では実店舗を構えているわけではないため、半田市での知名度はまだまだ発展途上だが、半田赤レンガマルシェへの出店などを重ねることによって、徐々に神谷さんの家具のファンも増えてきている。今後は徐々に売上と知名度を伸ばし、いつの日か工房兼ショールームを開き、お客様が気軽に家具の相談に来れる場所を提供したいと楽しみは尽きない。 (取材:齋田哲資)
「
【住所】 半田市有脇町
【代表】 神谷英昭 【創業】 2018年
【HP】 https://rimessa-works.com
【instagram】 @rimessaworks
2021年9月22日(水)
名鉄青山駅から西へ5分弱、飲食店が並ぶ一角にある「CAFÉ&BAR POLPO」。BARという響きで、大人の隠れ家や憩いの場所をイメージして、敷居が高いと感じるかもしれない。しかし、同店は開放的な造りとなっており、イメージする不安は一掃され、気軽に楽しめる店内となっている。その店内には、皆様を迎えるオーナーがいる。彼の名は伊藤拓人。
「楽しくなければBARじゃない」をコンセプトに、創業から10年やってきた。地元祭礼にて、梶方後見や運行責任者の任も務めた伊藤氏。当所青年部にも所属し、理事や広域エリアへの出向も務めるなど、繋がりを大事にする男である。業界の面でも、保健所の衛生管理指導者として、地域飲食店の安全を守る活動をするなど、様々な角度から地域を支え、地域貢献に努めながら、自身の技術向上や人脈拡大の経験を積んできた。
調理師免許も所有する伊藤氏。地元の新鮮な野菜・魚介を使ったイタリアンベースの料理を中心に、お酒と料理でシェフバーテンダーとして、来店された方々をもてなす。同店は、知多半島に数少ない深夜型レストランでもあり、同業者が閉店後にミーティングで利用することもしばしば。また、深夜でもパスタやピザが楽しめるお店として、市内外問わずに来店される方が多い。中でも、開業当時からの一番人気メニューであるデミグラスオムハヤシ(1,100円)。同店の看板メニューでもあるため、リピーターがこぞって注文する逸品である。ピザに至っても、生地からソースに至るまで、既製品や冷凍食品の類は原則として使用せず、レシピ作成した上でマニュアル化もされている。地産地消で地域貢献したい、との心意気から、契約農家から直送の新鮮野菜を使用していることも見逃せない。同店の料理は、新鮮野菜や市場で直接仕入れる魚介類を利用したメニューも多く、ついついお酒も進んでしまう。
伊藤氏の、お客様に楽しんでほしいとの思いから、大切な時間を演出すべく貸切営業にも対応。慶事(バースデーパーティーや、結婚式の二次会)等にも迅速対応を行う。サプライズ演出の相談があれば、それが当日連絡だったとしても、可能な限り顧客の満足度と笑顔を得るため、臨機応変に対応を行う他、自らもその演出を手伝ったり、企画提案も行う。要は、本人自体が楽しいことが好きなのである。アルバイトスタッフが自己判断で顧客にサービスを行った場合でも、彼らの裁量に任せ、見守った上で成長を促す面もある。
しかし、昨年から同店に大打撃を与える出来事が発生。そう、新型コロナウイルス感染症である。全国の飲食店同様、同店も大きな影響を受け、今まで半田の夜を楽しく演出していた店内から、顧客の笑顔や影が消えてしまったのである。それでも、伊藤氏は挫けない。当所会報誌等から得られる情報や、青年部等の繋がりを活かし、この苦境をなんとかして、乗り越えようと日夜励んでいる。その一環としてテイクアウト商品を開発する他、メーカーの研修なども受け、本場の味を再現したタコ焼の販売・提供を開始した。なぜBARでタコ焼か? 店名のPOLPOは、イタリア語で「タコ」を意味しており、洒落を利かしたメニューであると共に、自粛中でも常連顧客の方に、家族とPOLPOの味を楽しんでもらうための逸品。
最後に、筆者が感じた男前な話を紹介したい。同店スタッフは下宿生が多く、生活費をアルバイトで切り盛りしている者
が大半。彼らも、生活が困窮しているだろうなと勝手に思っていた。しかし、伊藤氏は、経営状況が苦しい時も、常にローテ
ーションでスタッフが出勤できるようにしている。「スタッフの生活が成り立たないと、あいつら困るじゃないですか」、伊藤氏の兄貴肌な性格が垣間見えた瞬間である。
「楽しくなければBARじゃない」を今後もモットーに、楽しく過ごせる時間を半田の街で提供していくことだろう。この記
事を見たなら、是非とも一度来店していただきたい。そして、同店を始めとする、苦境に立ち向かいながら戦う市内飲食店
にエールを送っていただきたい。 (取材:榊原鉄平)
【住所】半田市青山2-25-10
【代表】伊藤拓人 【創業】2011年
【営業時間】18:00~4:00(L.O.3:30)
【定休日】なし 【TEL】23-3039
※新型コロナウイルス感染症の影響で、時短営業等の場合もあります。詳細は店舗にお問い合わせください。
2021年8月10日(火)
技術や経験が豊富な美容院は半田市に沢山ある。その中の1店舗である「ひまわり美容室」について今回はピックアップした。
名鉄成岩駅近くの住宅街に1958年からオープンしているひまわり美容室は、コミュニケーションを大事にしており、カットや会話を通じて「毎月会っている友達」のような感覚で、お客様の生活の一部になれることを喜びに感じている。
代表の山本氏は、横浜で7年の修行の後、1993年に母親から店を受け継ぎ、美容師としてベテランの域になったが、高校3年生まで美容師になることは考えてもいなかった。「美容師は極めることが多く、深い職業。親子3代ご利用頂いている方もおり、世代を超えて愛されていることを誇りに思い、日々営業をしています。」と話される。
提供するメニューも、髪の毛のダメージを防ぐカット(CRE’PS・テクニック)や「髪を元気にしながら思い通りスタイリング」の特許技術の縮毛矯正など、髪でお悩みのお客様に寄り添ったメニューが豊富だ。「大手にはないお客様一人ひとりに寄り添った親近感、スタッフとのコミュニケーションがとれる店舗で、気さくな会話をしながら、当店にしかない付加価値や髪のお悩みの解決方法を知ることによって、髪へのストレスを解決されるお客様がいます。当店は、髪の疲れを少しでも緩和したり、代り映えのしない見た目のスパイスになることができ、誰もが得ることができる美しさを提供していきたいと思っております。」と話され、将来のビジョンを「当店の強みであるクセストパー®※ を知多半島中に広めたい」と考えている。
店舗運営はもちろん、美容業組合や商店街の理事も務め多忙の中、この度2号店『CRE'PS HAIR HIMAWARI』を半田市山代町の県道沿いに、縮毛矯正の特殊技術専門サロンとして10月1日にオープンする。
独自のシャンプーやトリートメントも作りあげるほどの発展力で、老若男女問わず、幅広く当店をご利用いただきたい想いが溢れている。普段はもちろん、卒業式や成人式の着付けで大忙しの時などでも常に笑顔で、明るい雰囲気がひまわり美容室の特色であり、今日もお客様への感謝の気持ちで溢れているお店である。 (取材:中満信宏)
※特許取得の独自技術により、クセのレベルを6段階で分析し、レベルに合った最適な施術を行うことで健康で自然な傷んでいないストレートヘアが実現できる。
【住所】半田市栄町1-45
【代表】山本嘉雄
【営業時間】9:00~19:00
【定休日】毎週月曜日・火曜日
【TEL】0120-06-6126
◉毎月クセストパー®練習会を実施
2号店
CRE'PS HAIR HIMAWARI
【住所】半田市山代町1-106-7
2021年7月28日(水)
下町の町工場と思わせる雰囲気ある昭和初期に建てられた建物内には、裁断機、丁合機の大きな機械が置かれ存
在感を放ち「シャシャシャ」とリズムよく動いている。今年で86年を迎えた歴史ある製本会社である。
昭和10年の開業当初は3軒の長屋続きだった工場兼住居で幼少まで過ごしていたと話す3代目の磯貝祥也氏は32
才で代表に就いた。東京の大学を卒業し、就職先も異業種であったため家業を継ぐことに関して一切考えていなかったが、一貫してやれることにやりがいを感じ定着の場となった。
どの世界でもそうであるが、出来て当たり前、期限厳守、品質管理はもちろん取引先との値段交渉は特に気を遣う。印刷会社から印刷用紙を受け取り、裁断、丁合、折丁、綴りを行い、「本」にしていく。紙質の違い、面付といった一枚の印刷用紙に対して複数の印刷データを並べた状態を理解すること等、本のしくみを覚えるのに大変だったと言う。断裁、乱丁の失敗で苦い経験をされたこともある。ただ、飛び込みで自費出版されたい方の、思いを形にできたことは一緒にやれて喜ばれたりする。ダイレクトに声が届くのは新鮮で改めて嬉しい。
景気が良くない時の傾向として、広告宣伝費から削れやすい印刷業界の影響を受け、4、5年前までは夜も遅くまで稼働していたが、ここ最近は少なくなったと寂しく言う。何とか「自社製品」を開発してこの状況から打破したい強い思いから祥也氏は動き始めた。
「四ツ目和綴じ」という御朱印帳を自ら作ることである。「四ツ目和綴じ」とは、日本古来の製本の起源である「巻子本」から「折り本」を経て、『和綴じ本』が作られ、江戸時代に職人の技と粋が集約された製本方法である。江戸時代から明治時代にかけて、教科書などを綴るのに使われており、耐久性に優れ、綴じ直しが何度でもできるのが特長である。
そもそも祖父である1代目(鉱平氏)が、約半世紀にわたって「四ツ目和綴じ」製法に携わっていた。その長年にわたるノウハウを活かせるのが最大の強みである。手作りで一冊ずつ丁寧に仕上げるため、多品種小ロットに対応できること、御朱印帳としてだけでなく、ノートやフォトブック、企業の販売促進ノベルティーグッズにも活用できると提案する。クラウドファンディングで認知拡大を図り、多くの人に手にしてほしいと実現を目指す。
父の2代目(嘉宏氏)も力を貸し、奥様(優子さん)も経理担当として応援。家のことを全てやってもらい「仕事一筋になれるよ」と感謝しかないですねと言う。
休日の過ごし方はボーイスカウト活動、子供達と海釣り、ラグビー、アメリカンフットボール観戦を楽しみ、生活にメリハリをつける。これからも、穏やかな表情の中にも職人として底力を
発揮していく。
(取材:中村真由美)
【住所】半田市勘内町37 【代表】磯貝祥也
【創業】昭和10年
【営業時間】月~金 9:00~17:00
【TEL】21-1294 HP https://isogai-bind.jp/
2021年6月9日(水)
半田中央インターチェンジ近く、童話作家・新美南吉の故れた。店長となった今で郷である岩滑にある喫茶店。(株)ダフネコーヒーは昭和40年代初頭にコーヒー卸売業として名古屋市に設立。50年代には同社の宣伝部として地域に根差した店づく
年代初頭にコーヒー卸売業として名古屋市に設立。50年代には、同社の宣伝部として直営の喫茶店事業「ダフネ珈琲館』を名古屋市内中心に開店。その中で、半田店は平成23年11月にダフネ珈琲館の中でも座席数120席を持つ大規模店舗としてオープンした。
地元のお客様が多く通う喫茶店だが、インターチェンジのをより深く知るために観光近くという立地から観光客など市外のお客様も多い。店で豆を挽いて入れるコーヒーは味に深みがあり自慢の一杯であスを受けている。モーニングサービス、ランチメニューも充実しており、特にダフネ自家製パンを使用したミックスサンドやスタンダードドッグ、熱々の鉄板で提供されるイタリアンスパゲティが人気である。
半田店の店長は柿原直人氏。知多市出身の柿原氏は親が喫茶店好きということもあり、幼少の頃から喫茶店が身近な存在であった。学生時代には地元の小さな喫茶店や飲食店でアルバイトした。卒業してからもアルバイトとして喫茶店に携わり、23歳の時にダフネ珈琲館のフランチャイズ店である常滑店で働いた。元々喫茶店が大好きということで翌年、(株)ダフネ珈琲館に正社員として入社し、半田店に配属れた。店長になった今では、地域に根差した店づくりをしようと、店で提供する食材は可能な限り地元の農産物を使用することを心掛けている。
また自身が半田のことをよく知るために観光協会に出向いてアドバイスを受けている。そして今、母校である常滑高校の恩師に、授業の一環で生徒に南吉童話に因んだ皿などの陶器を制作してもらおうと働きかけている。こうして学生とコラボレーションして制作された陶器は、実際に食器として使用し、地元のお客様はもちろん観光客にも楽しんでいただこうと企画している。
柿原氏は、「お客様にはダフネ珈琲で時を過ごしていただくのだから、その間は居心地良い空間を提供したい。そのため
にスタッフにはお客様一人ひとりに対し真心込めた接客をすさるよう指導している。そして半田のことをもっと勉強して地域
に根差した店づくりにすることで地元の人にも誇れる店を目指したい」と力を込める。
新型コロナウイルスという目に見えない敵に飲食業界は苦戦しているが、地域に根差した店舗運営を心掛けているダフネ珈琲館半田店の益々の発展に期待したい。
(取材:竹内圭志)
【住所】半田市岩滑西町9-101
【店長】柿原直人
【開業】平成23年11月
【営業時間】7:00~19:00(LO.18:30)
年中無休(1月1日、2日は休み)
【TEL】23-7270