半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
全てのトピックス

半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
全てのトピックス

お客様一人一人に癒しと喜びを

2026年2月2日(月)

hanabisou

【個性派花屋から真心を込めて】
店舗に一歩足を踏み入れると出迎えてくれる多くの観葉植物。観ているだけで癒しを与えてもらえ、不思議と穏やかな気分になり、心に余裕が生まれてくる。数年前の誕生日に、私が友人からもらい、育てていた、パキラという名前の観葉植物もあり、どこか懐かしい気持ちになった。緑豊かな店内を進むと、看板猫のオセロくんも出迎えてくれる。
 2011年、店主である達男氏が両親の店から独立し、葬儀会社専門の花屋として創業。葬儀以外でも受け取った人に心から喜んでもらえる花屋を目指し、2014年7月より現在の店舗を構え、これまで知多半島には無かった観葉植物に特化した花屋としてオープン。
 なんと言っても店内に入ると目に入ってくる多くの観葉植物が特徴的だ。元々店主夫妻が好きだったこともあり、多くの観葉植物を取り揃えている。季節の花の鉢を飾るのも素敵だが、観葉植物は一年を通して楽しむことができ、手をかければかけるほど育ち、日々価値が生まれる。お客様一人一人に合った、一時の美しさだけではない、観葉植物から得られる自然豊かな癒しが、ここ「hanabisou」で見つかるのではないだろうか。
 もちろん花屋として切り花等も提供しており、個性派で珍しい花が多く品揃えされている。花束やフラワーアレンジメントを作る際には、受け取る人の年齢や好みなど、じっくりお話を伺い、受け取った人が心から喜んでもらえるよう作成している。個人だけではなく、法人向けにお花を贈るときには、お祝い札に企業ロゴも入れ、お花だけではなく、お祝い札でも相手が受け取って喜んでもらえるよう工夫もしている。受け取る人の喜ぶ姿を考え、真心を込めて作成する、店主夫妻が大切にしていることだ。
【長く育て価値あるものに】
 せっかく購入した観葉植物などが、すぐに枯れたり傷んでしまったりしては悲しいだろう。hanabisouでは、日が経つにつれて価値が下がるのではなく、日々手をかければかけるほど植物が育ち、価値が生まれることを大切にしている。購入時には管理方法をわかりやすくお伝えし、その管理方法をまとめたオリジナル用紙を提供している。店からお客様の手元に渡ってからも、まだまだ成長し育つ観葉植物の提供を大切にしている。もし、大切に育てていた観葉植物がどうしても調子がよくないときは、ぜひ一度相談してみてほしい。状態によってはメンテナンスも行っている。
 また、事業所の福利厚生の一環として、従業員へのバースデーフラワープランも展開している。ぜひ、福利厚生として活用してみてはいかがだろうか。
 店主夫妻が真心込めてお届けする花や観葉植物は、長く育ち、価値を生み、お客様一人一人に癒しや喜びを与えてくれるだろう。(取材:間瀬花夢音)

【住所】半田市上浜町10‒13
【代表者】澤田達男
【営業時間】日~木曜日/10:00~19:00
      金・土曜日/10:00~20:00
【定休日】毎週水曜日
     (月1~2不定期火曜日休み)
【TEL】0569-24-9150





働きやすく、誇りを持てる職場づくり

2026年2月2日(月)

ミロク工業(株)

1992年、『6人で大きく実らせる』そんな想いで『ミロク工業』をスタートしました。以来33年、『挑戦あるのみ』『どんなニーズにも応える』を精神的基盤として走り続け、今では仕事は趣味になりました(笑)。当社は各種設備機器の設計、製造、機械の据付、安全・安心を考慮した配管・配線まで、設計から現場が稼働するまでの一貫施工を請負っています。現在13人の社員で現場を回し、少数精鋭だからこその高いスキルを持ったスペシャリスト集団として機能しています。長年トヨタグループ
に関連した仕事を請負い、その実績に裏打ちされたノウハウで海外からの受注も増加しています。
 お付き合いのある企業や商社から仕事を紹介いただき、海外の企業からはダイレクトに電話がかかってきて打ち合わせを始める。それが当社のスタイルです。「こういうモノが欲しい」、「この案でどうですか?」そんなやり取りを通してスピーディーな見積もり提出、納期厳守も当社の強みです。万が一トラブル勃発の場合もその場で臨機応変に考え解決します。それをしてしまうので、さらに忙しくなってしまうのかもしれません(笑)。製品を現場に配置できないなどのアクシデントで稼働できないことにもなれば、たちまちお客様の仕事に弊害が生じる恐れがあります。どんな時も、現場の下見をし、設置現場の状況を把握するようにしています。先日もある企業から「うちの会社を応援してください」と要請をいただきました。そういう言葉はありがたいことです。これらは当社が経験値を積み重ねた結果であり、社員の頑張りがあってこそです。
 代表として打ち合わせ・プランニング・製作・搬入・施工・保守整備と多岐に亘る仕事を抱え、図面制作も大切な仕事です。部品ごとの図面、いくつもの部品を組み合わせて機器を作っていく元となる図面がないと、現場は動けません。CADを駆使していますが、年を重ねてから使い始めたので、覚えが悪くて苦労しています(笑)。頭の中に叩き込んだ知識や情報を元にゼロから生み出すのはやりがいもあり、『挑戦あるのみ』と自ら言い聞かせています。『楽に仕事をする』ことも心掛けており、『AI』を活用出来れば良いのですが、その都度オリジナルの図面を書く作業には、学習して成り立っているAIは現時点では限界があります。「これとこれをくっつけて、こうしたら?」とAIはそこまで教えてくれないので、自分の力に頼るしかないと思い、『どんなニーズにも応える』ために知恵を絞っています。この他、工事に必要な電気分野(AI・ロボット関連)は、他部署が担当しています。
 現在は、私の仕事を少しずつ社員が引き継いでくれており、助かっています。30年ほど前にブラジル、8年前にベトナムから来た社員も在籍しています。つい最近もベトナム籍の社員が入社し、みんな真面目で一生懸命です。最初は言語面での苦労もありましたが、今では日本語を普通に話し、日本文化に馴染んだ先輩からの教えもあり、社員は仕事も生活面も困ることはないようです。また、週1回講師を迎えて社内で日本語教室を開いています。昨年12月に『日本語検定』に挑戦した社員もいて、彼らの成長を目の当たりにするのは楽しみです。
 色々な節目を経て当社も成長してきました。旧工場が道路拡張のため、立ち退きになり、半田市に協力を仰ぎ現在地に600坪の新工場(敷地面積1,800坪)を新築した2018年は大きな節目でした。取引先、社員、地域社会等のステークホルダーの皆様の期待に応えることが当社の存在意義と思いを強くした時でした。、半田市が『半田市SDGs宣言制度団体』を募集した時には、そのご縁に感謝し真っ先に登録し、具体的に取り組みを始めました。
 外国人研修生の育成(日本語教室開催、実習生へのOJT)、品質管理(ISO9001認証取得)、環境対策(太陽光発電の設置、ISO14001認証取得、全施設にLED設置、事務所・工場内の緑化活動、EV設備設置【EV車を導入し、社内にEV充電スタンドを設置し地域に開放】)、社会貢献活動(半田市社会福祉協議会への寄付、赤い羽根共同募金運動の促進)、生きがい、働きがい(健康チャレンジ宣言)、つくる責任・つかう責任(製品の向上、新技術への取り組み)でSDGsの達成に努めています。また、あいち女性輝きカンパニー認定、パートナーシップ構築宣言、愛知県自動車エコ事業所認定等もいただき、社員が働きやすく誇りを持てる職場を目指しています。少し残念なことは現在地元出身の社員が在籍していないこと。地元人材を積極的に雇用していますので、ご希望の方は先ずは工場見学からご案内します。
 『楽に仕事をしたい』私の夢は、楽な『隠居』です(笑)。前職が日本料理の板前だった名残で(?)、会社で自分の昼食作りをし、リタイア後はうどん屋か蕎麦屋を開こうと思った時期もありましたが、今は違う世界を見たいと考えています。今は、仕事に追われ早朝4時くらいには出社していますが、楽になるだろう隠居後は旅をしたい、日本一周してみたいなど夢みながら、『社員と共に、もっと大きく実らせたい』と仕事に励む毎日です。



髙野 昇さん  


■ 半田市八軒町89番地1 
■ TEL/0569-24 -7788




年頭のご挨拶

2026年1月9日(金)

半田商工会議所 会頭 松石 奉之

明けましておめでとうございます。
 令和8年の新春を迎え、謹んで会員の皆さまのご多幸と繁栄をお祈り申し上げます。
 昨年11月、重ねてのご推挙をいただき、2期目の会頭職をお引き受けさせていただくこととなりました。新しく小栗宏次副会頭に加わっていただくとともに、商工会議所が会員事業所の皆様に真に役立つ存在となるよう変革・進化していくことを目指し、委員会組織を再編成し調査・研究を深めてまいります。同時に、当所が将来にわたり持続的に発展し、地域経済の成長と活力の創出に貢献できる体制を構築していくため、「未来ビジョン研究チーム」を新たに設置し始動してまいります。地域経済を代表する立場として、半田市や関係諸機関と協調し、企業の発展・成長、地域経済全体の振興を目指し、引き続き、誠心誠意、全力で商工会議所の運営にあたる所存です。
 半田市においては、周辺市町と同様、人口減少・少子高齢化が進み、地域産業の担い手と消費人口の減少が懸念されます。多業種にわたり外国籍労働者の受け入れが進み、国籍や文化が異なる人々が、互いの違いを認め合い、対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に生きていく「多文化共生」の環境整備も新たな課題です。
 私ども中小・小規模事業者は、持続的な物価高や人件費の上昇、不透明な国際情勢など、経営環境は一層厳しさを増しております。商業・飲食業では、個人店の廃業が相次ぎ、まちの個性が失われつつあり、後継者不在や担い手不足は、地域産業の持続性に深刻な影響を及ぼしています。都市基盤では、JR武豊線半田駅付近の連続立体交差化は概ね4年後に迫り、土地区画整理事業と合わせ進捗していきます。さらに、知多半田駅周辺を含む名鉄河和線の半田市内における高架化についても、愛知県による調査が予定されてまいります。今こそ、地域全体を俯瞰し、地域
特性を活かした総合的なまちづくりが求められているところです。
 この現状を踏まえ、私の会頭職2期目三年間について、半田市の未来を拓く「共創と循環のまちづくり」をテーマとして掲げてまいります。地域企業・教育機関・行政・市民が互いに価値を生み出し、地域内で経済が回る「循環型都市」へ、そして周囲から人と消費が流入する「交流拠点都市」へと進化することを目指すとともに、当所は、各ステークホルダーをつなぐ“共創のハブ”として、地域経済の好循環を生み出す中心的な役割を担ってまいります。
「共創と循環のまちづくり」を具現化するために、五つの柱を掲げて取り組みます。
  1. 人材・雇用の循環と多文化共生の推進
  2. 中小企業・商業の再生と地域ブランドの確立
  3. 地域内消費の循環と外部からの消費流入の促進
  4. 事業承継の促進と小規模事業者支援
  5. 交通・都市基盤整備の促進と未来構想
 部会・委員会活動の一層の活性化とともに、未来ビジョン研究チームを軸に商工会議所組織の進化を図り、未来を担う会員企業との連携体制を確立してまいります。
 私自身、地域の一経営者として、自社の従業員・顧客・取引先など、全ての人々の生活を守る責任を負っております。会頭職を再びお引き受けしたのは、「半田を想う心」ゆえです。半田らしいまちの魅力―顔の見える商い、人のぬくもり―を次世代に引き継ぐため、この三年間、全身全霊で職責を果たす覚悟で臨んでまいります。
 新たな一年のはじまりにあたり、全ての会員の皆様に、日頃の事業活動に感謝を申し上げますとともに、“人が集まり、働き、学び、育つまち・半田”の実現にご支援、ご協力をお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。



お弁当とともに“楽しみ”を届けたい

2026年1月5日(月)

Othello(オセロ)

今回ご紹介する会員事業所は、半田市有楽町にある「Othello(オセロ)」である。
 早朝4時。まだ街が静かなころOthelloの一日は始まる。厨房で仕込みを行い、午前中は高齢者施設や事業所への配達。午後になるとお弁当の回収をしつつ、高齢者の個人宅を回り、夕食のお弁当を届ける。曜日に決まった定休日はなく、「終わったら終わり」という地域密着の働き方である。日曜日も完全休業ではなく、必要に応じて柔軟に対応している。「毎日、少しでも利用者さんの楽しみになるように」という代表の木下氏の思いは、朝の準備の段階からすでに現れている。材料を選ぶとき、盛り付けを考えるとき、味の確認を行うとき、すべてにその思いが反映されている。
 木下氏は20代前半から約24年間、介護の現場で働いてきた。施設職員、ケアマネージャー、新規事業所長と経験を重ね、岐阜県から常滑市へ異動後も地域の高齢者と向き合い続けた。その中で、高齢者がより楽しめる食事を求めていることを強く感じてきた。「自分が食べたいと思えるものを届けたい。大切な家族に食べてもらいたいと思える食事をつくりたい。」この想いこそが、Othelloの原点である。
 安定した企業での管理職を辞め、自らの道を選ぶには大きな決断が必要であった。しかし、木下氏は迷わなかった。自分の人生でやりたいことをやり、正しいと思うことは正しく行う。そのために、白黒はっきりさせる覚悟で社名『Othello』に想いを込めた。そして、やらないことが最大の失敗だと考え、迷わず前に進んだ。
 開業当初は想像以上に忙しく、1日3時間しか眠れない日もあったという。それでも、利用者からの「美味しかったよ」「楽しみにしているよ」という声に支えられ、少しずつ迷いや葛藤は消えていった。木下氏は、困難も含めて自分の決断を信じ、日々の仕事に真摯に向き合っている。

【副菜にこだわるお弁当づくりと地域への思い】
 Othelloのお弁当でまず目に入るのは、色とりどりの副菜だ。木下氏が特にこだわるのは、この副菜の充実である。「街の定食屋さんでも、お味噌汁や小鉢が美味しいと嬉しいでしょう?お弁当でも同じです。メインは予算や種類に制約がありますが、副菜は工夫次第でいくらでも楽しめます。」Othelloでは、季節の食材を活かし、3~4品の副菜を丁寧に手作りしている。副菜ひとつひとつに食材選びから調理までのこだわりがあり、彩り、食感、味のバランスに細心の注意を払う。もしメインが好みでなくても、副菜で“食べる楽しみ”を感じてもらえるよう工夫している。スタッフにも「自分が本当に食べたいか」「家族に出したいと思うか」を問いかけ、全員が同じ意識で調理にあたっている。この一体感が、Othelloのお弁当の味や見た目、温かさに表れてい
る。
 木下氏は、長く介護事業に携わってきた経験を活かし、今後はお弁当配達にとどまらず、地域の方々が食で少しでも幸せを感じられる取り組みもしていきたいと考えている。「食べることは楽しみであるべき」という信念を胸に、今日も厨房で笑顔を思い浮かべながらお弁当を作り続けている。Othelloのお弁当は、単なる食事ではなく、地域の人々にとっての“楽しみ”として定着している。木下氏の真っすぐな想いと、丁寧な仕事が、地域の人々の毎日を彩っているのである。(取材:伊藤七海)

【住所】半田市有楽町5ー216ー2 【代表者】木下 豪
【創業】令和6年8月 
【営業時間】年中無休(但し日曜日は要相談)
【TEL】080-5115-3397



「ありがとう」を糧に、夫婦で紡いだ商いの道

2025年12月2日(火)

おしゃれ洋品・学生衣料 ひらの

当誌をお届けするにあたり、いつも終盤に行き着くのが平野夫妻の店。温かい笑顔と時に厳しい叱咤激励を受ければ、猛暑の夏でも極寒の冬でも、不思議な事に店を後にする頃には最後の力が漲ってきた…そんな当たり前だった光景が今はもうない。
妻みち子さんが急逝したのは昨年春のこと。高校時代の同級生同士で長年連れ添い、布の裁断から縫製まで全て手作業で二人三脚でこなしてきた。「世の中が変わって見え、何もかもがどうでもよくなった」とかけがえのない伴侶を失った当時の心境を語る店主の利保氏(73歳)。それでも氏を今もなお商売に駆り立てる理由は何か伺った。
利保氏は先代の父親から商売のいろはを何一つ教わったことがない。年の離れた従兄が父から衣料品の商いを学ぶ姿を見て育ち、高校3年生の夏には既に鉄工業への途上。しかしその従兄が別の道を選んだことで急転直下で「お鉢」が回ってきた。以来、取引先で修業を積み、自転車で知多半島から西三河、名古屋の問屋を回る日々。文字通り自らの足で商売の基礎を育んだ。培われていったのは、人と人との繋がり。その精神は今でも店の根幹に息づいている。
所帯を持ち昭和58年に現店舗を父から引き継ぐと、修業時代のご縁から学校用品を扱うようになった。客の一人ひとりの要望に細やかに応え、やがて「繊維のことなら“ひらの”に聞け」と言われるほど地域に根ざした存在となる。
亀崎では潮干祭を避けて通れない。父の代からも祭礼装束は扱ってきたが、「腹に巻く晒は面倒」「締めると痛い」「緩いと下がる」といった若い衆らの声につぶさに耳を傾け、ゴム素材を使った巻かない晒「穿くんです」を考案。実用新案の登録にまで至った。平成25年には西組花王車の車元を務め、平成28年に潮干祭がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、祭礼装束への情熱を一層強めた。高齢化する重鎮世代から熱心に聞き取り、装束の伝統を後世に残すため、伊勢木綿を藍で染め、掌も青く染まるほど毎日作業を続ける。近年ではわらじ職人の高齢化で品薄が続く中、全国の職人や海外業者に直接交渉するなど、培ったフットワークを如何なく発揮。今では市内他地区の山車組はもとより全国の祭り関係者からも注文が寄せられる。お囃子の笛袋も五月人形に使われる絢爛な生地を用い、所有者の名を刺繡して世界に二つとない品が生まれる。
数年前のコロナ禍で巷にマスクが不足した際には、夫妻で日夜手縫いを続け、いち早く地元の人々へ提供した。市内企業からは千枚単位の注文が入り、「金山駅にいるけど今から買いに行っていいか」との電話も。同店の名が世を駆け、夫妻にとって“最後にして最高の共同作業”となった。
この取材中、近所の老婦人が来店した。「この布に紐を通して欲しくて云々…」誰でもできそうな頼み事だが、聞けば「こんなことでも親身に受けてくれるからいつも来る」のだと。友人から「いつまで商売をやるんだ?」とよく聞かれ、その時に氏は必ずこう答えるという。「お前はコンビニで弁当を買った時だけ可愛い店員さんから『ありがとう』と言われるだろ?俺はお金をいただいた上に『ありがとう』と言われるんだよ」その言葉に筆者は大きくうなずき、当分はまだそちらには行かないみたいですよ、とレジ後方の遺影に視線を送った。(取材:森 啓貴)